大人になったらどんな仕事をしたいかな?なんとなく考えている小学生でも将来消えてしまう職業には就きたくないですよね。
もくじ
職業は消えたり増えたりする
この記事を読まれているあなたは、職業が消えたり増えたりするということはご存知でしょうか?
保護者の皆さんはご存知かもしれませんが、読者の小学生の方はもしかしたら、エッと驚くかも知れませんね。
世の中にはいろいろな職業がありますが、実はその職業自体がなくなったり増えたりするのです。
例えば、日本FP協会が毎年発表している小学生の「将来なりたい職業」ランキングによると、去年まではユーチューバーがランク入りしていました。
出典:https://www.jafp.or.jp/personal_finance/yume/syokugyo/
ユーチューバーとは、みなさんご存知の通り、ユーチューブに動画を投稿して広告収入などでお金を稼ぐ人のことです。
しかし、このユーチューバーが職業として成立するようになったのは2011年頃からということはご存知だったでしょうか。
それまでは一部の人を除き、Youtubeに動画を投稿してもお金を稼ぐことはできませんでした。
つまり、記事執筆時点(2020年)では、ユーチューバーが誕生してまだ10年も立っていないということになります。
過去に消えた職業・なくなった仕事
このようにユーチューバーという職業は9年前に生まれましたが、同様に消えていく職業というのも存在します。
「職業が消えた」の定義は明確ではありませんが、大正大学地域構想研究所の中島ゆき主任研究員によると、その職業で働く人が全国で1200人以下になると、5年に1度行われる国勢調査で使われる職業分類からは消去されることになるようです。
出典:https://chikouken.org/report/8795/
例えば、1991年と2015年の国勢調査を見比べると、「タイピスト」「腹話術師」「 キャバレーのレジスター係」「ミシン販売員」 など24の職種が削除されています。
ちなみに「タイピスト」とはパソコンやワープロが普及するずっと以前に、印刷機のタイプライターでデータを打ち込むのを職業としていた人です。1930年代は稼ぎたい女性のあこがれの仕事として非常に人気が高かったそうです。
他にも「場立人」という仕事も消えた職業の一つです。現在は株などの証券は全てオンライン上で取引されますが、昔は実際に証券取引所で人と人が取引をしていました。
「場立人」とはこのように証券取引所で手をつかって取引する人のことです。
テレビの平成特集などで、証券取引場で多くの人が「手サイン」と呼ばれる方法で株の売買をしている風景が流されることがあるのを目にした事がある人もいるかもしれません。
このように技術の進歩によって、職業というのは新しく生まれたり消えたりすることがあります。
驚くべきことに、2015年のオックスフォード大学の調査によるとAIにより今後10〜20年で約半数の仕事が消える可能性がある、ということも言われています。
参照:国勢調査から消えた「平成の職業」https://chikouken.org/report/8795/
2030年に消える職業・なくなる仕事
では、10年後の2030年にはどのような職業が消えているのでしょうか?または生まれているのでしょうか。
もちろん未来のことなので確実なことは言えませんが、きっとテクノロジーがこんな発達をするから、こんな仕事が生まれるはずだ、もしくは消えるはずだ、というような展望はいくつも存在します。
例えば先ほどのオックスフォード大学の調査によると、次のような職業が消えるとされています。
- 銀行の融資担当
- 保険の審査担当
- クレジットカードの調査担当
- クレジットアナリスト
- 簿記、会計、監査の事務員
- 測定作業員
- 不動産ブローカー
- 弁護士助手
- 時計修理技師
- 映写技師
- カメラ、撮影機器の修理技師
- メガネ、コンタクトレンズの技師
- 測量技術者
- 建設機器オペレーター
- 塗装工
- 娯楽施設の案内係
- スポーツの審判
- レストランの案内
- レジ係
- ホテルの受付
- 電話オペレーター
- 電話販売員
- 訪問販売員
- 集金担当者
- クレーム処理担当
- データ入力作業
どの職業もAIが人間の代わりをすること、もしくはオンラインで自動化することにより、なくなってしまう、と考えられています。
このなかには皆さんにも身近な仕事があったりするのではないでしょうか。
参照:オックスフォード大学https://www.oxfordmartin.ox.ac.uk/downloads/academic/The_Future_of_Employment.pdf
⇒人工知能がプログラムコードを自動生成!プログラマーがいらなくなる?
新しく生まれる職業とは?
次に新しく生まれる職業について見てみましょう。
例えば、アメリカのITサービス会社コグニザントという会社の調査結果によると次のような職業が新しく生まれるとされています。
データ探偵:AIによって分析されたものに対して、人間的なアイデアを与えることでデータをAI以上に活かす仕事
ゲノム・ポートフォリオ・ディレクター
遺伝子を改変することにより病気を治療したり、動物や人間の能力を拡張できるのではないかということが期待されています。
この仕事は遺伝子をどのように改変したら良いかをアドバイスする仕事です。
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散歩・会話の相手
高齢化社会に伴い、散歩や会話の相手を提供するサービスが必要となるので、これを提供する仕事です。
サイバー都市アナリスト
サイバーシティーを運営するためには、センサーがデータをうまく取得し、データセンターへ送る必要があります。
あるところでセンサーが故障をした場合はアナリストが分析したり、管理をします。
AR(VR)脚本家
ARやVRを使った体験をデザインする脚本家です。ユーザーにこれまでにない体験を提供してくれます。
小学生は未来のためにどんなスキルを身につけたらいいの?
10年前は想像できなかったユーチューバーが仕事になったように、これから先も新しい仕事がどんどん生まれてくると考えられています。
このような未来のためにはどのようなスキルを身につければよいのでしょうか。
過去に消えた職業、生まれた職業をみると、技術の進歩によって変化していることがわかります。
つまり、新しい職業を開発したり、使いこなせるようになることが大切です。
そのためには、いわゆるSTEM教育といわれる科学技術に触れていることが重要でしょう。
未来がどうなるかは誰にもわかりませんが「千里の道も一歩から」というように一歩一歩勉強を進めていくことで、未来で活躍することができるでしょう。
30代大学教員 アメリカ在住
京都大学大学院修了 博士(工学)