小学生の通信教育と一口に言っても、実は複数の種類があることをご存知ですか?
デジタル機器の進化に伴い、通信教育の形にもバリエーションが出てきました。
今回は、小学生の通信教育について、それぞれの特徴やメリット、デメリット、そして選び方のポイントまでをご紹介していきます。
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小学生の通信教育、4つの種類
まずは、小学生の通信教育にはどんな種類があるのか、ざっくり4つの形式に分けてご紹介します。
紙教材(ワーク)
1つ目は、紙教材のワークによる通信教育です。このカテゴリーに属する通信教育には、月刊ポピーや進研ゼミ、Z会など親世代でもおなじみのサービスが多いのではないでしょうか。
鉛筆で問題を解いていく、スタンダードな勉強方法で学べます。
※ただし、最近は紙教材のみの通信教育は少なくなっているようです。例えばポピーには紙教材のワークに加え、理解を深めるためのデジタルコンテンツ(動画やアプリなど)が付いています。
また進研ゼミ小学講座では、紙教材のチャレンジとタブレット学習のチャレンジタッチ2つのコースが用意されています。
Z会も同様に、通常コースとタブレットコースを用意しています。
動画学習
講師による授業が動画として配信され、それを見ながら勉強する方式の通信教育です。
例えば、スタディサプリがこれにあたります。スタディサプリでは配信動画授業の他、それに対応した紙のテキストも販売されています。
タブレット型
タブレットにインストールされたアプリで新しい内容を学んだり、問題を解いていく方式の通信教育です。
アニメーションによる授業を見たり、ゲームのように問題を解くことで一人で勉強を進めることができます。
このタイプの通信教育には、進研ゼミのチャレンジタッチやZ会のタブレットコースが該当すると考えられます。他に、すらら、スマイルゼミなどがあります。
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オンライン家庭教師
オンラインで個別指導を行う家庭教師スタイルの通信教育もあります。先生に直接家に来てもらう代わりに、ウェブカメラやヘッドセットを使い、インターネットを介して個別指導を受けることができます。
個別指導塾TESTEA、いえスタ、オンライン東大家庭教師友の会などがあります。
通信教育別メリット、デメリット
紙教材のメリットとデメリット
紙教材の通信教育は、学校と同じ鉛筆で書くという勉強方法をとっています。
タブレットやパソコンを使った学習と比較して、「勉強している」という意識を持ちやすいのではないでしょうか。
また、紙教材は勉強すればするほど、それが目に見える量となって現れます。取り組んだワークのページ数から、達成感を得ることもできますね。
タブレットやパソコンなど高額な機器を利用しなくてよいのもメリットです。
子どもの扱いが粗雑なため、破損してしまうということもありませんし、インターネット回線がない環境でも学習ができます。
一方で、使用した教材の整理整頓に手間がかかるのはデメリットといえます。
貯まったプリントやワークの処分方法は、なかなか悩ましい問題です。
また、子どもが幼い場合は保護者が採点をしてあげなければならないという面倒さもあります。
動画学習のメリットとデメリット
動画学習では、講師による配信授業を遠隔地から視聴することができます。
例えば「中学受験向けの塾など地元にない」という場合もあるのではないでしょうか。
そんな時でも動画学習なら、プロ講師によるレベルの高い授業にどこからでも参加できます。
対面授業と違い、分からないところを繰り返し視聴できるのもポイントです。加えて、オンライン家庭教師と比べても比較的価格は安いです。
ただし動画学習では、分からない点をその場で質問することができません。さらに一方的に授業を聞いている形になるので、集中力の維持が難しい点がデメリットです。
タブレット型のメリットとデメリット
タブレット型の通信教育では、自動で採点が行われたり問題の解説に進んだりと、子どもが一人でどんどん学習を進められるというメリットがあります。
また、間違えた問題を分析して苦手箇所を割り出したり、個別の学習スケジュールを作成したりと、アプリならではの機能を利用することができます。
一方、タブレット型の学習は学校での授業とはだいぶ異なってきます。学校現場にもデジタル学習が導入されてきているとはいえ、まだまだ紙と鉛筆での学習が基本である所が多いでしょう。
板書をノートに写したり、分からないところを辞書でじっくり調べたり、といった勉強の基本姿勢が身に着いてほしいと考えている親にとって、タブレット学習はデメリットに感じられるようです。
他にも、タブレットが壊れてしまう可能性や、長時間の使用によって子どもの目が悪くなる危険性などがデメリットと言えます。
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オンライン家庭教師のメリットとデメリット
個別指導で一人一人に合わせた学習ができるのが、オンライン家庭教師のメリットです。紙にしろ、アプリにしろ、一方通行の通信教育では疑問点が出たときにすぐ解答を得ることができません。
それに対し、オンライン家庭教師ならリアルタイムで疑問を解消することができます。また基礎学力の育成から、名門校受験まで子どもに合ったオーダーメイドのカリキュラムが組めるのも魅力です。
○○学年だからこの教材、という決まった形ではなく、子どもに合った学習内容、難易度で教えてもらえます。
一方で、オンラインと言えど個別指導は料金が高いのがネックです。また、人間と人間の関係には必ず相性がありますので、子どもと講師の間で信頼関係が築けるかどうかという問題も考えなくてはなりません。
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小学生向け通信教育の選び方
通信教育にもいろいろな種類のものがあることが分かりました。ここで、通信教育選びのポイントを見てみましょう。
目的を明確にする
まず、子どもに通信教育を受けさせる目的を明確にしましょう。
例えば…
・中学受験対策ならば、レベルの高い授業が配信されている動画学習を選んだり、個別指導を受けられる家庭教師を選ぶ
・勉強に苦手意識がある子なら、タブレット型の通信教育で楽しい学習経験をさせる
・机に向かう習慣をつけてほしいなら、紙の教材が届く通信教育を選ぶ
通信教育を受講することで、子どもがどう成長してほしいのかをじっくり考えてみてください。
サポートの量や質を比較する
通信教育のサポートには、添削指導や質問の受付、保護者への学習記録通知などがあります。
通信教育はどうしても受け身になりがちなので、どのようなサポートを受けられるのかはあらかじめチェックしておきたいですね。
コストパフォーマンスから選ぶ
通信教育は通塾に比べて安いイメージがあると思いますが、種類によってかなり幅があるのも確かです。
例えばオンライン家庭教師の場合月額1万円を超えることもありますので、通塾とさほど変わらない、あるいはより高額になる可能性もでてきます。
かといって、格安だから良いというわけでもないのが通信教育の難しさです。価格とサービスのバランスを考えながら、家計に大きな負担がないものを探していきましょう。
子どもの学力にあったものを選ぶ
通信教育は、子どもの自主性に大きく依存する学習方法です。簡単にいえば、子どもが「や~めた!」と言えば、それまでなのです。
だからこそ通信教育を選ぶ前に、まず子どもの学力を確認しましょう。その上で無理のないレベルの教材を提供しているのはどこか、よく検討することが大事です。
基礎学力があやふやな子どもに、「超名門校合格者続出!」のような難関教材を与えても挫折は目に見えています。逆にある程度学力がある子に、簡単すぎる問題ばかりでは手ごたえがないでしょう。
小さな頑張りと成功を重ねることが、勉強を好きになる近道。子どもが自分で取り組め、ちゃんと正解できる、そんな通信教育を探してみてください。
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えっちゃんママ
現役 保育士
通信制大学で教育免許を取得
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