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脳科学と心理学の違いとは?学際的研究は新しい発見がいっぱい。

脳科学と心理学の違いとは?

皆さんはテレビで「脳科学的には○○○のような人はXXXです」というようなことや「心理学的には○○○のような人はXXXです」のようなことを聞いたことはないでしょうか。

最近だと、脳科学者の中野信子さんがよくテレビにで言われていたりしますよね。

これを聞くと、脳科学も心理学も人間の特徴を教えてくれる学問なのかな、と思われるかもしれません。

実際に公益社団法人日本心理学会が出版している心理学ワールドという雑誌において、「脳科学と心理学」という特集号が出版されたこともあります。

確かに、人間の行動を管理しているのは脳や心だと考えられているので、両者には似ている部分があるのかもしれません。

しかし、実際には両者はかなり違っている部分が多いです。今回はそんな脳科学と心理学の違いと共通点についてお話してみたいと思います。

脳科学とは?

脳科学者

脳科学とは、人や動物の脳が生む出す機能について研究する学問分野です。

先ほど、脳が人間の行動を管理していると説明したとおり、脳は様々な分野に関わっています。

そのため、脳科学も様々な分野に関連しています。

具体的には、生物学や医学にとどまらず、薬学、化学、工学、情報学などと密接にかかわりながら研究されています。

研究対象の大きさも、脳全体をみるものから、ニューロンのような脳の構成単位をみるものまで様々です。

また、脳は様々な機能を持ち合わせているので、視覚、聴覚、感情、運動等多岐にわたる身体の機能をも司ります。

脳は人体では最も大事な器官と言っても過言では無いですが、まだまだ未知の部分も多いので脳科学はとてもホットな研究分野と言えるでしょう。

最近では、イーロン・マスク氏が設立したニューラリンクという会社が、画期的な機械で脳を分析しようとしていることで話題になっています。

⇒脳のインターネット化が現実になる!ブレインマシンインターフェース

心理学とは?

心理学者

次に心理学についても説明します。

心理学とは、文字通り、人間の心を科学により理解するという学問です。

ところが人間の心というものは実際に心そのものが観察できるわけではないので、科学的に研究をするために「人がこういう行動をしているときは、心はどういう状態なのか」ということを解明していくことになります。

心理学は大きく「基礎心理学」と「応用心理学」に分けることができます。

「基礎心理学」は心理学的実験によって、心の仕組みを科学的に解明することを目指すものです。

具体的には、感覚、知覚、記憶、言語、思考、問題解決などの「人間の基本的な心の動き」についての研究がなされています。

「応用心理学」とは、基礎心理学の実験やデータから得られた結果を実生活に応用することを目的とした心理学です。

例としては、教育に心理学的考察を取り入れてより効率的な教育を目指す教育心理学、うつ病や精神的疾患を持つ人のカウンセリングや心理療法を目指す臨床心理学、犯罪及び犯罪者を研究して防犯などに役立てる犯罪心理学(プロファイリングとも呼ばれます)などがあります。

脳科学と心理学の違いと共通点

学際的な研究分野

違い

このように脳科学と心理学は、実際に研究しているものはかなり異なるということが分かったと思います。

両者の最も大きな違いとしては、研究対象を目で見ることができるかどうかという点です。

「脳」は人間の器官ですので、MRIやレントゲン、また、実際に解剖して姿を見ることができます。

しかし、「心」というのは器官ではないので、「心」が引き起こした結果である行動や感情を見ることができても、「心」そのものを見ることはできません。

共通点

一方で、両者の共通点としては、どちらも人間が引き起こす行動や認識を研究している学問ということです。

何か物事を考えているときや感じている時に、それが「脳」で起きているか「心」で起きているかの捉え方の違いはあるかと思いますが、どちらも人間の行動に結びついている現象です。

そのため、この2つを切り分けることは難しいと言えるでしょう。よくテレビで言われているのもこの部分ですね。

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学際的な研究分野

脳科学と心理学の共通点と違い

ただし、脳科学と心理学の一部の部分はかなり近いことを研究しているという例もあります。

例えば心理学の一部に視覚研究分野という分野があります。

この分野は人間がどのようにして世界を知覚(認識)するかという分野ですが、人間がどうやって世界を認識するか、というのは実は心理学でもあり、脳科学でもあるのです。

というのも、人間が自分の触っているモノ(例えばぬいぐるみ)をどう認識するか、というのは1)人間の心理的な部分も影響しますし、2)脳がどう世界を認識しているのか、ということにも影響するからです。

ちなみにこういう2つの学問の境界にある研究分野のことを、学際的な研究分野といいます。

学問の際(接するところ)という意味ですね。

こういった学際的な研究分野は2つの分野の知識が必要なため、非常に研究が大変ですが、2つの学問が合わさることで新たな面白い結果が得られることが多いです。

以上、今回は脳科学と心理学の違いと共通点を説明してみました。皆さんも興味があればぜひ調べてみましょう。

この記事を書いたのは

大学の先生

30代大学教員 アメリカ在住

京都大学大学院修了 博士(工学)