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博士課程学生への金銭的な支援について日本とアメリカを比較。学費を安くするには?

大学院博士課程の学生への金銭的支援

世の中のママは子供に良い教育を受けさせるためがんばっています。だけど正直、教育費がかかって大変じゃないですか?

小学校・中学・高校・そして大学、さらに大学院。博士号を取得するには大学院卒業しなければなりません。

文部科学省は博士号の取得を目指す学生への経済的な支援を拡充するため、1人当たり年間で290万円ほどを支給する取り組みを始めることになりました。

親にとって朗報なのでしょうか?

この記事では博士課程学生の金銭的な支援について、学費を出す立場の親目線で解説します。

博士課程とは?

博士についてどんな印象を持っているでしょうか。博士といえばやはり頭がいいという印象でしょうか。

昔は、末は博士か大臣か、と言ったそうで、それくらい博士というのは貴重な存在だったそうです。

今では博士はそこまで珍しい存在では有りません。

文部科学省のデータによると、平成23年度の18歳人口は121万人でしたが、このうち博士課程に入学したのは1.5万人だったそうです。

つまり、ひと学年あたり100人に1人程度が博士になっているという規模です。

学校の規模にもよりますが、中学・高校の同学年のなかで数人が博士課程に行くという感覚です。

そう考えると、大臣ほど珍しい存在ではないですよね。

⇒大学院に通わなくても博士号を取得する方法。裏ワザがある!?

博士になるには?

博士になるためには何をすればよいか、ということを簡単に説明します。

日本では、高校・大学を卒業した後、さらに上の大学院というところに進みます。

大学院は修士課程と博士課程に分かれており、一般的には修士課程で2年、博士課程で3〜6年間研究を行います。

そして、博士課程中に人類がこれまで誰も見つけていないような発見をすることで博士号を取得することができます。

さてここで説明した通り、大学を卒業した後、最低でも5年間は研究をする必要があるため、博士課程を卒業すると一般的には27歳以上になることが多いです。

大学を卒業して働く場合は一般的には、22歳で働き始めますので、それと比べるとかなり仕事を始めるまで時間がかかると思われるかもしれません。

博士課程を3年で卒業するというのはそこまで当たり前ではないので、30歳前後で初めての仕事を得るという人も多いです。

では、博士課程の学生は30歳まで給料をもらうことなく、お父さんやお母さんからお金をもらって生活するのでしょうか?

博士課程の学生の金銭的問題どうなっているの?

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日本の博士課程学生の金銭的支援

まず日本の博士課程の学生支援についてお話しましょう。

実は日本は世界的に見ると博士課程の学生のサポートはあまりよくありません。

後で詳しく説明しますが、海外の博士課程の学生は給料をもらうことが多いです。

ところが日本は給料をもらうどころか、逆に大学院に学費を支払う必要があります。

ただし一部の優秀な学生は日本学術振興会の特別研究員という制度で返済不要の奨学金を得ることができます。

特別研究員に採択されると、月額20万円の研究奨励金(実質お給料)に加えて毎年最大150万円の研究費が交付されます。

そのため特別研究員に採択されることができれば、経済面で心配することなく研究に打ち込むことができます。

私も幸いにも特別研究員に採択され、アルバイトなどをする必要がなく、お金のことを気にせずに研究に打ち込むことができたので非常に助かりました。

ただし特別研究員に採択されるハードルは非常に高く、一年間に採択されるのはDC1という制度の場合700人程度となっています。

1.5万人博士課程の学生がいるなかで700人だけしか採択されないということなので、支援されるためにはそれなりに成果を挙げている必要があります。

海外では博士課程の学生に給料が支払われる

一方、海外の博士課程学生の場合はどうでしょうか。

私はアメリカの大学で研究者経験がありますので、アメリカの大学の話をしてみたいと思います。

アメリカの大学の場合は、博士課程学生のほとんどに給料が支払われ、また学費も受け持ちの教授が支払ってくれる事が多いです。

『ほとんど』といったのは、受け持ちの教授の研究予算によるからで、研究予算が少ないと給料が支払われない場合も稀にあるそうです。

この場合は、TA(Teaching Assistant)と呼ばれるアルバイトをすることになりますが、TAとして給料をもらうことができます。

博士課程学生が支払われる給料は大学にもよりますが、だいたい20-35万円/月であることが多いです。

アメリカは日本よりも物価が高いのですが、この程度の給料があればとりあえず生活することには困りません。

しかしながら、給料が教授の研究予算から出ているせいもあってか、教授からの期待値は日本よりもずっと高かったと思います。

また、日本では1人の教授に複数の博士課程学生がつくことも珍しく有りませんが、アメリカでは研究予算から学生の給料を支払う必要があるため、博士課程の学生はせいぜい1人または2人程度です。

これから先どうなる?

海外の博士課程の学生は給料がもらえる

ではこれから先日本の博士課程学生の金銭的支援はどうなるのでしょうか 。

シンニホンという本や様々な文献で日本の研究能力の低さを改善するために、博士課程学生をはじめ研究環境の改善をすべきだという声が挙げられています。

これらの文献で指摘されていることは本当にもっともなのですが、現実に博士課程学生の多くに給料が支払われる日がくるかというと、そこまで甘くないだろうというのが私の考えです。

欧米では、博士課程の学生に経済的なサポートがされていますが、その一方で博士課程に進学できるのは本当に優秀な学生だけであるという選別の仕組みが働いています。

現在、日本ではそこまで優秀でなくても博士課程に進学できるのですが、欧米のような仕組みを導入するとますます博士課程に進学できる学生が減ってしまうだろうと思います。

根本的な解決策としては、国として研究に割く予算をもっと大幅に増やし、また支出の無駄を減らすということしかありません。

しかし人口が減り、超高齢化社会になる日本では難しいだろうというのが私の意見です。

そのため、あなたのお子さんが将来、博士課程に進学したいと考えているのであれば、博士課程から欧米の大学院に行き、給料をもらいながら研究を進めるルートがおすすめです。

この記事を書いたのは

大学の先生

30代大学教員 なっ君パパ

京都大学大学院修了 博士(工学)