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ゲームが子供の脳に与える影響に関する論文をわかりやすく解説します。

ゲームで脳を活性化、

学校から帰ってきたと思ったら、鞄を放り投げてゲームに飛びつくわが子…その姿に毎日ため息をついているというママはいっぱいいますよね。

たしかに、一昔前までは「ゲームは脳に悪影響を及ぼす」という言説が一般常識のように唱えられ、ゲームは健全な子ども育成を妨げるものと位置づけられることが多いものでした。

しかし、それも今は昔の話です。

今では、学習を支援するためのゲームが多数リリースされ、学校現場でもゲームが導入される機会が増えています。

また、学習目的でつくられたわけではないゲームについても、その有用性が注目され、学習に活用されるようになってきています。

このように、その価値が見直されているゲームですが、「果たして、本当に子どもの健全な成長、特に脳の成長に役立つものなのか…」と不安に思うママは多いでしょう。

そこで、今回は、ゲームは脳の活動を妨げるものなのか、はたまた脳の活動を活性化させるものなのか、片寄晴弘大学教授(関西学院大学)の研究「熟達度を視点としたテレビゲーム実施時の脳活動の分析」(2008年)をもとに紹介します。

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ゲームが脳に与える影響

「テレビゲーム実施時は前頭前野の脳活動が低下する」と報告する数々の先行研究に疑問を抱き、テレビゲームの熟達度に焦点を絞って脳の活動を確かめる研究を行いました。

実験の内容

実験の概要は以下になります。

【実験参加者】

右利きの健常な22歳~27歳(平均年齢23.2歳)の成人男性9名

・熟達者…対象ゲームの全国ランキング上位入賞者(シューティングゲーム1名、リズムアクションゲーム2名)

・中級者…日常的にテレビゲームを実施し、対象ゲームについては1週間の訓練を実施(3名)。訓練前のfNIRS計測も実施する。

・初心者…日常的にはテレビゲームを実施せず、対象ゲームについては未経験(3名)

【実験条件・材料】

・シューティングゲームとリズムアクションゲームの2種類のテレビゲームで実験を実施(熟達者は熟達しているゲームのみ)。

・頭部に近赤外光を照射し、透過してきた光を分析することによって血液中に含まれる酸素化ヘモグロビンと脱酸素化ヘモグロビンの増減を計測するfNIRSで脳機能を計測。

・30秒間の安静時間を設けた後、240秒間の練習を行い、再び30秒間の安静を行う。この一連の流れを「1試行」とする。

・ゲーム開始時と終了時は、モニタに指示を表示するとともに、アラームが鳴るように設定。

・安静時間中はモニタに注視点を表示し、そこに注目させる。

【実験手順】

(1)被験者に対し、実験内容の説明をする。

(2)テレビゲームのシステムを理解するため、被験者に測定するゲームを1試行プレイしてもらう。

(3)fNIRS計測装置を被験者に装着する。

(4)被験者に測定するゲームを3試行プレイしてもらう。

(5)被験者から実験に対する内省を聴取する。

さて、この実験の結果はどのようなものになったのでしょうか。

実験結果

ゲームと脳の関係、実験結果

初心者・訓練前中級者・訓練後中級者・熟達者のfNIRS計測結果は、次のようになったそうです。

・記録したスコアは熟達者・訓練後中級者・初心者の順、すなわち、熟達度が高ければ高いほど高得点だった。

・初級者・中級者については脳の活動が鈍化したが、熟達者については脳の活動が活性化した。

・訓練前中級者と訓練後中級者とでは、訓練前中級車の方が脳の活動が鈍化していた。

ゲームをプレイすることで熟達者の脳の活動が活発になったという結果は、従来の研究では得ることのできなかったとても貴重なデータです。

また、訓練前中級者と訓練後中級者とでは、訓練後中級者の方がハイスコアであったという結果から、ゲームをプレイすればするほど脳が活性化していくということが窺えます。

ちなみに、片寄教授らは熟達者に対し、熟達しているゲームと同ジャンルのプレイ経験のないゲームをプレイしてもらうという実験も行っています。

その結果、熟達者であっても脳の活動が鈍化したそうです。

これらの結果に鑑みれば、1つのことを突き詰めることで脳の活動が活性化するということが窺えます。

まさに「好きこそ物の上手なれ」ということなのでしょう。

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「ゲームが子供の脳に与える影響」まとめ

ゲームで頭が悪くなるはウソ

シューティングゲーム熟達者にゲームプレイ中の所感を尋ねたところ、今まで積み上げてきた経験の中で得られた「正解ルート」を思い出してプレイしていると答えたそうです。

片寄教授はこの言葉からエピソード記憶を思い出すことによって脳が活性化したのではないかと分析しています。

また、リズムアクションゲームの熟達者の脳が活性化したことについては、音楽を聴くことによって起こる脳活動の上昇と関係があるのではないかと推察しています。

しかし、どのような要因があったにせよ、1つ、確実に言えることは、いずれの熟達者も「1つのことを突き詰める」ということを達成しているということです。

1つのことを突き詰めるのはとても難しいことですが、ゲームであれば比較的簡単に達成できます。

なぜなら、ゲームはとても面白く、夢中になるのも容易いからです。

もし、子どもにお気に入りのゲームがあって、毎日のように夢中になってプレイしているというのであれば、よっぽどのことが無い限り、どうかやさしく見守っていてあげてください。

ゲームをプレイすることで、あなたのお子さんの脳みそはフル回転しているのかもしれないのですから。

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参照:熟達度を視点としたテレビゲーム実施時の脳活動の分析(情報処理学会)

https://ipsj.ixsq.nii.ac.jp/ej/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=9355&item_no=1&page_id=13&block_id=8

この記事を書いたのは

ニックネーム:chopsticks

0歳と3歳の母。

国立大学教育学部の大学院修了。

教育関連の学術論文を多数読破。

母親目線でわかりやすく学術論文を紹介します。

ユウちゃん

わーい、ゲーム大好き。大きくなったらゲーム作る人になりたい。