⇒子供プログラミング教室おすすめ&安い

習っていない漢字を作文に使っていいの?小学生が読みやすい文章を書くコツ

作文に習ってない漢字を書いたら先生に怒られた

「うちの子の作文、文法的には問題ないと思うけれど、何だか読みにくいなぁ…」と感じたことがあるママいませんか?

実は、その作文が読みにくい原因は、ひらがなばかりで漢字がほとんど用いられていないことにあるのかもしれません。

今回は、伊藤俊一先生(愛知教育大学教授・認知心理学者)の論文「仮名漢字変換が小学生の作文の可読性に及ぼす影響」に基づいて、小学生が読みやすい作文を書くための方策をご紹介します。

関連ページおすすめ小学生の通信教育はどこ?紙教材からオンラインまで

関連ページ小学生向け作文教室(オンライン)おすすめ7校

ひらがなだけの作文は読みにくい

小学校で書く作文では習っていない漢字を使うのは禁止

ひらがなだけで文章が書かれている絵本は「読んでみようかな」と思えても、漢字だらけの専門書については手に取ろうとは思えないという人は多いでしょう。

ところが、ひらがなだけの文章は、意外と読みにくいと言われています。

たとえば、以下の文を読んでみてください。

からだがうごかなくてくやしかった。

いかがでしょうか。

「からだ」や「うごかなくて」、「くやしかった」という言葉を認識するまで、少し時間がかかったのではないでしょうか。

一方、漢字表記できるものをできるだけ漢字に変換してみると、瞬時に文の意味を理解できるようになります。

体を動かなくて悔しかった。

このように、ひらがなだけの文章よりも、ある程度漢字が混ざっている文の方が、意味を捉えやすいのです。大人だけでなく小学生も同じことがいえます。

関連ページ文章の書き方。論理的文章が小学生にも書けるようになる。

ひらがなにしたほうが読みやすい漢字もある

漢字を使って読みやすい文を書こう

ひらがなと漢字が混ざっている文章は、ひらがなだけの文章よりも読みやすいです。

しかし、だからと言って、漢字表記できるものはすべて漢字に変換すれば良いというわけではありません。

文化庁は一般の社会生活における漢字使用の目安として「常用漢字表」を提示しています。

そして、実際、多くの人が常用漢字表に掲載されていない漢字を読むことができません。

そのため、作文を書く際には、常用漢字以外の漢字は使わないように心がけるべきです。

また、たとえ常用漢字表に掲載されている漢字が用いられている言葉であっても、ひらがな表記の方が望ましいとされているものもあります。

具体例としては、以下のようなものが挙げられます。

  • ありがとう(有難う)
  • できる(出来る)
  • こういう(こう言う)

どのような言葉をひらがな表記にするべきかは、どちらの表記のほうがわかりやすいかを見比べてみることで何となく判断できます。

*間違いなく誰が見てもわかりやすい文章を書きたいママは、共同通信社が刊行している『記者ハンドブック』を参照してください。

関連ページ【音読で暗記】口パク・熟読と比較してダントツ効果的だった。

文章の読みやすさを左右する2つの要素

読みやすい文章について考える小学生

ところで、なぜ、ひらがなと漢字を適度に織り交ぜた文章は読みやすいと感じられるのでしょうか。

伊藤俊一先生は、文章の読みやすさを左右する要素として、以下の2つを挙げています。

ひらがな表記が連続しているかどうか

ひらがなと漢字が織り交ぜられた文は、一目見るだけで文節の単位を理解することができます。

たとえば、以下の2つの文を見比べてみてください。

  • 姉ちゃんがつらいのはせつなくなりました。
  • 姉ちゃんがつらいのは切なくなりました。

ひらがな表記が連続している上の文よりも、ひらがな表記が連続していない下の文の方が読みやすいですよね。

なお、伊藤先生が実施した実験によると、たとえひらがな表記の方が親しまれている言葉であっても、漢字表記を用いてひらがなの連続を解消した方が、読みやすさがアップしたと言います。

漢字表記の方がひらがな表記より親しまれているかどうか

「すき」という言葉は「好き」と漢字表記されることが一般的でしょう。

このように、漢字表記の方がひらがな表記より親しまれている言葉の場合、漢字表記を用いた方が文章の読みやすさがアップします。

なお、実験によると、「大好き」のように漢字表記が連続するようになったとしても、ひらがな表記より親しまれている漢字表記を用いた方が読みやすさが向上したそうです。

読みやすい作文を書くために家庭でできること

作文に習ってない漢字を書いてもいい?

伊藤先生は読みやすい作文を書くための方略として、以下の2つを提唱しています。

  • ひらがな表記の連続が解消されるのであれば、たとえ親しみが薄くても漢字表記を使用する
  • 漢字表記が連続するとしても、親しみが深ければ漢字表記を使用する

これらの方略を踏まえ、読みやすい作文を書くために家庭でできることとしては、以下の3つが挙げられるでしょう。

  • 新聞など読みやすさが追求されている文章に親しませる。
  • 文章を書く際には、ひらがな表記が連続することを可能な限り避けるように教える。
  • まだ習っていない漢字であっても、常用漢字表に掲載されている親しみの深い漢字であれば、積極的に使うように指導する。

▼小学生向け新聞▼

「習っていない漢字を作文に使っていいの?」まとめ

小学生の漢字作文って難しい

小学校の先生の中には「習ってない漢字は使わないこと。」なんて指導をする人がいてビックリですよね。

読みやすい文章を書く力は、中学受験はもちろん、大学生や社会人になった際にも役に立ちます。

ぜひ、家庭でできることを実践してみてくださいね。

【参考文献】
仮名漢字変換が小学生の作文の可読性に及ぼす影(愛知教育大学 大学教授)
https://aue.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=7656&item_no=1&page_id=13&block_id=21

この記事を書いたのは

ニックネーム:ちぃちゃんママ

2児の母。

国立大学教育学部の大学院修了。

教育関連の学術論文を多数読破。

母親目線でわかりやすく学術論文を紹介します。

関連ページ筆順はそんなに大事?正しい書き順は存在しないって知ってた?