せっかく子供に習い事をさせるのだから、その経験や知識が将来何らかの役に立ってくれることを願いたい。そんなパパママも多いですよね。
では、日本最難関の大学に合格した東大生たちは子供の頃どんな習い事をしていたのでしょうか。
この記事では東大生が子供の頃にどんな習い事をしていたのか調査結果を基にまとめました。各種習い事が学力向上とどう結びついていくのかも、考察してみました。
- 頭が良くなる習い事ってあるの?
- 東大合格に役立った習い事はなに?
今後どんな習い事をさせたらよいのか考えるきっかけにしてください。
もくじ
東大生の子供時代の習い事ランキング1位「水泳」
結論から言いますと、東大生が子供の頃通っていた習い事の1位は「水泳」でした。
この結果は、2つの調査で一致しています。
*画像:東大新聞オンライン
1つは東京大学に所属する学生たちによって作られた「東大新聞」のアンケート結果です。調査は2014年11月に現役の東大生・東大院生360人に対して実施されました。「小学生の時の習い事」を聞いた結果、全体の約65%が水泳を習っていたと答えています。
*参考:東大新聞オンライン https://www.todaishimbun.org/swimming0219/
進学塾や英会話などの「学力系」習い事を抑えて1位となっているとは、ちょっと驚きますね。
もう1つ、東大生が子供の頃通っていた習い事として水泳が1位にランクインした調査があります。『プレジデントFamily 塾習い事選び大百科2017 完全保存版』という本の中の調査で、こちらは学生174人に対する質問で約60%が「水泳」を習っていたという結果が出ています。
参考:『プレジデントFamily 塾習い事選び大百科2017 完全保存版』 プレジデント社 2017年
「水泳」はもともと小学生の間で人気が高い習い事です。学研教育研究所「小学生白書」では、小学生を対象にした習い事の調査を行っていますが、2019、2020、2021年と水泳は連続1位の座を守っています(「幼児白書」の調査結果では、幼児の間でも水泳がトップの習い事となっています)。
*参考:学研教育研究所「小学生白書」https://www.gakken.co.jp/kyouikusouken/whitepaper/index.html
ただ、習い事全体に対する「水泳」の構成比を見てみると小学生全体よりも東大生を対象にした調査の方がずっと高くなります。「小学生白書」の調査では全体の20%台~30台にとどまっている「水泳」ですが、東大生を対象にした調査ではその2倍以上に当たる60%台となっているのです。
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水泳と学力には関係があるの?
水泳と学力には関係があるのでしょうか?水泳という習い事のシステムには、学力向上と関係性が高い要素が含まれていると考えられます。
自分との戦いに勝つ
多くのスイミングスクールでは「進級テスト」と呼ばれるシステムを取り入れています。
「進級テスト」各級には、客観的に判断できる明確な進級基準が設定されているのが一般的です。例えば「クロール25Mが泳げる」「100M個人メドレーが泳げる」などです。
進級テストに挑戦し続ける子供は、次のような能力が鍛えられます。
- 現在の自分は進級基準(目標)とどれだけ離れているか自己分析する力
- 目標達成の手段を考え、選ぶ力
- 目標を達成するための努力と集中力
- テストで実力を発揮する本番強さ
- テストに落ちてもまた再挑戦しようとする気持ちの強さ
このような能力のすべては、東京大学に合格するために必要なものです。
また、各スイミングスクールで開かれる大会では、自分だけでなく同年代の子供とタイムを競う場面も出てきます。誰かに負けたくないという気持ちや、一度きりの大会でよいタイムを出そうとする力もまた受験に役立ちます。
体力は学力と相関関係がある
体力と学力が相関関係にあるという調査は世界中で行われています。
オーストラリアの調査では、7歳~15歳の子供の体力(1600m走、上体起こし、腕立て伏せ、50m 走及び立ち幅跳び)に学力が関係があるという結果が。
また、日本でも「体力に自信がある子は学習意欲が高い」「体力と学力は関係がある」とする研究報告が多数あります。
*参考文献:「小学生の学力と体力の関係性」日本生理人類学会誌 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpa/21/2/21_75/_pdf/-char/ja
酸素がなくバランスを取りにくい水中で運動する水泳は、インナーマッスルや心肺機能が鍛えられます。全身運動なので体全体の筋力が向上し基礎代謝量も上がります(ダイエットにも効果的)。
体力と学力に相関関係があるとすれば、子供のころに水泳で体づくりをしておくことはとてもメリットがあり、ですね。
東大生が東大合格の役に立ったと思っている習い事は?
*画像:東大新聞オンライン
東大新聞のアンケートでは、「水泳」が東大合格の役に立ったかどうか聞いてみた項目があります。
この結果、水泳を習っていた人全体の約47%が「とても役に立った」「ある程度役に立った」と答えています。大体半数ぐらいの東大生は水泳の経験が東京大学合格に活きたと考えています。
もちろん、この割合は学力系の習い事に対して必ずしも高くありません。例えば進学塾や学習塾といった習い事の東大合格貢献度は全習い事中トップになっていて、水泳に対し約1点程度の差をつけています(「とても役に立った」を4点、「ある程度役に立った」を3点とした場合)。
また水泳と同じ非学力系の習い事では、そろばんや書道の東大合格貢献度は水泳よりも高く評価されていました。
そろばんは計算の役に立ちますし、書道はきれいな字を書くことにつながるため学業に関係性が高いといえるでしょう。
また、ピアノ等楽器の習い事の貢献度も水泳より高くなっています。楽器の演奏を上達させるには、絶え間ない練習に耐えるだけの高い集中力と努力が必要ですので、このような高い評価を得る理由にも納得がいくのではないでしょうか。
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東大生の子供時代の習い事ランキング、アンケート結果
東大新聞「小学生の時の習い事」アンケートでは、水泳以下の順位は以下のようになっています。
1位 水泳
2位 楽器・音楽関連(ピアノなど)
3位 進学塾
4位 英会話
5位 学習塾
6位 書道
7位 サッカー・フットサル
*中学受験目的の塾を進学塾、それ以外を学習塾としてカウント
こうしてみると、東大生だからと言って必ずしも進学塾や学習塾ばかりに習い事が集中していないことがわかります。
1位の水泳はもちろん、楽器、書道など直接的に学力と関係していない習い事も多いです。しかし、どんな種類の習い事であれ、自己研鑽して目標となる技術を身に着けるという点では一致しています。
東京大学に合格できるのは、目標に向かって自己研鑽できる能力が育っている人といえます。この調査からは一見学力とは無関係に見える習い事でも、将来的な学歴と結びつく可能性が見えてきます。
大切なのは勉強に関係あるかどうかということではなく、子供が自発的に「やりたい」と思い、力を尽くして取り組めるような魅力的な習い事を選ぶことだといえます。
えりまる
現役 保育士
教育免許もあり。
正確な情報をお届けできるようにしっかり調べて執筆しています。