今回は子供がスポーツなどの運動をすることの効果についてお話します。
運動神経が良くなるのは当然ですが、意外な効果として非認知能力が向上することが最新の研究でわかりました。
関連ページ小学生の非認知能力は鍛られる!具体的にどうしたらいいの?
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非認知能力とは?
非認知能力と聞いて何が思い浮かぶでしょうか。
単語から推測するに認知能力の逆となる能力のことだとはわかると思いますが、どういった内容かは意外と知らない方も多いのではないでしょうか?
非認知能力を理解するために、まず認知能力について説明します。認知能力とは一般的に書く、読む、計算するなど、IQテストや知能テストで点数が付けられる能力のことを言います。
一方で、非認知能力とは点数を付けられない能力のことです。例えば、自信、協調性、自立、忍耐などがあります。非認知能力は人生を豊かに生きていく上では欠かせない能力で、多くの研究者や教育機関が昔から重視しています。
感覚を通じて環境からの情報を取り込む能力、人間の体内で働く生理的な機能や能力なども非認知能力の一部だとされています。
最近有名になりつつあるモンテッソーリ教育も非認知能力を育むことを重視しており、認知能力と同じくらい大事な能力と言えるでしょう。
追跡調査した結果(論文)
歴史を遡ると、1960年代から非認知能力は注目されています。そのきっかけの一つには、アメリカで行われた「ペリー就学前プロジェクト」です。
このプロジェクトで子供たちはアクティブラーニング(生徒が自ら学ぶ学び方)を受ける方と受けない方、更には、先生が週に一回訪問し、親子の関わり方を指導する家庭とそうでない家庭の2グループに分かれました。
この調査では、40年にも渡ってその後子供達がどのような人生を送ったかを追跡しました。
その結果として、認知能力には差はないが、アクティブラーニングや家庭訪問により、非認知能力を伸ばしたグループの方が成績が高く、より安定した生活を送り、更には犯罪率もより低いということが判明しました。
外部サイト幼児教育の経済学 ジェームズ・J・ヘックマン , 古草 秀子 (訳)
*非認知能力に関する研究の動向と課題
https://repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/record/52003/file_preview/edu_58_03.pdf
スポーツ・運動で向上する非認知能力とは?
ではスポーツ・運動によりどのような非認知能力が向上するのでしょうか。
まず、運動をすることで自信が高まります。運動をすることで、身体的な強さや柔軟性が向上し、自分が何ができるかを知ることができます。
また、運動をする際に、何かができるようになるために目標を立てることがあります。自分が立てた目標を達成したときは、満足感を味わうことができ、それが自信を高める原因になります。
さらに、自立心も高まります。自分でトレーニングプランを立てたり、ゴールを設定したりすることで、自分で自分の人生を管理する能力が高まり、自立した人格を育むことができます。
自分で立てたプランに沿って運動をし、その効果を測ること、立てたプランが適切だったかPDCAサイクルを回すことで洞察力や分析能力も向上します。
次に、協調性を高めることができます。チームスポーツでプレイした際には、ルールに従う必要があり、チームメイトや周りの状況を判断しながらプレイする必要があるため、他の人と一緒にチームを組んだり、相手のペースに合わせて協力することが学べます。
こうすることで、他人を思いやる力が育てられ、協力関係が強まり、協調性が高まります。
最後に、忍耐力が高まります。運動をすることで、筋力や柔軟性が向上しますが、そのためには長期的なトレーニングが必要です。時には、自分の限界もしくは限界を超えたきつい練習をすることもあるでしょう。
そのため、運動をすることで、忍耐力が高まります。また、運動をすることで、ストレスや集中力が高まることもあります。ときにはこういった状況に置かれることで忍耐力が高まります。
また、スポーツに勝ち負けは付きものなので、勝った時の喜びや負けた時の悔しさを経験することで、感性が豊かになり、表現力も向上されるでしょう。
このように運動をすることで、自信、協調性、自立、忍耐などの人格特質を鍛えることができます。
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非認知能力を伸ばすのに効果的なスポーツとは?
では、具体的にどのようなスポーツが非認知能力を伸ばすのに効果的なのでしょうか。ここまで読んだ皆さんは、チームスポーツ、つまり野球やサッカーが良いのではと考えた方も多いでしょう。
実はそんなことはなく、外遊びをするだけでも大いに運動による非認知能力向上の効果が期待できるとされています。
外で友達と鬼ごっこをする、遊具で遊ぶ、目標回数を定めて縄飛びの練習をするなど、子供達がよく行っている運動は、実は非認知能力を伸ばすことに大きく貢献しています。
運動による非認知能力の効果を最大限に生かすには、運動をすることで楽しい、体を動かすことが好き、という気持ちを育むことが大切だそうです。
通常、運動をすると身体的な健康を保つことができますが、それに加えて、心理的な健康および社会的な健康を保つことにも非常に効果的です。
非認知能力を鍛えることは、すなわち生きていく力を鍛えることであり、豊かな人生を送るためには欠かせない能力です。
運動をしている期間が長ければ長いほど、非認知能力も向上するというデータが出ているので、ぜひ今日からお子さんと一緒にママパパも公園に行って運動を始め、運動習慣を付けることで豊かな人生を送れるようにしましょう。
*運動と非認知能力の関係(スポーツの効果)を調べた研究論文
- 子どもの遊び・スポーツ経験と非認知能力の関連https://www.ssf.or.jp/Portals/0/resources/encourage/grant/pdf/2017/2017rs_48.pdf
- 身体活動と非認知能力の関連性-非認知能力は体力・運動能力とも強く関連する
https://ngu-activechild.com/wp-content/uploads/2018/11/c6582848fb46cc3da7bd60677647a55c.pdf - 児童期および青年期の子どもにおける非認知スキルの発達とスポーツ活動との関連性に関する研究―スポーツの何が非認知スキルの獲得に寄与しているのか?―
https://researchmap.jp/9000025874/published_papers/2614664/attachment_file.pdf
あっくんパパ
2児の父
京都大学大学院修了
博士(工学)
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