コロナ禍でオンライン化が進んでいますね。オンライン英会話・オンライン会議・オンライン飲み会などなど。病院の診察もその1つ。
今回はアメリカのオンライン診療について現地アメリカから工学博士が紹介します。
もくじ
オンライン診療とは?
「オンライン診療」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
去年の新型コロナウイルスによりオンラインでリモートワークをしたり、習い事をしたり、病院の予約待ちでさえも現地ではなく、リモートで行うことができるようになりました。
実は、お医者さんによる診察も一部オンラインで行うということが進みつつあります。
あなたはオンラインでお医者さんの診察が受けられると聞いて、どんな感想をお持ちでしょうか?
実際に面と向かって会わないと本当の病気がわからないと感じるでしょうか?病院で待たなくていい分、楽だなと感じる人もいるかもしれません。
今回の記事ではそんなオンライン診療のメリット、デメリットや、実際にオンライン診療を受けた人の感想をお届けいたします。
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オンライン診療のメリット
まず、オンライン診療のメリットについてお話しします。主なメリットは3つあると思っています。
院内感染を防げる
まず1つ目のメリットとしては、院内感染を防げることです。
コロナ禍であるこのご時世、コロナ患者の数はもちろん、医療崩壊を防ぐためには、病気になる人の数を抑える必要があります。
そのためには密になることを避ける必要があるので、オンライン診療であれば混み合った待合室、更には病人が多くいる病院自体に行く必要はありません。
更にはお医者さんや看護師さんの医療従事者への感染を防ぐこともできるため、医療崩壊阻止に貢献できると言っても過言ではありません。
どこにいても診療可能
2つ目のメリットとしては、場所に捉われずに診療を受けられるということです。
オンライン診療は、多くの場合Zoom等のビデオ通話で行われます。
このため、体調が悪く病院に行くのも辛い時や、近くに病院が無いが診察を受けたい時にオンライン診療があることで患者の負担が減る上に、より多くの患者を診療できる可能性があります。
時間の節約
3つ目のメリットは、時間の節約ができることです。
病院に行くと必ずと言っていい程、待ち時間が発生しますよね。
そのため、働いている人は多くの場合、休日にしか病院に行けない、または仕事を半日休んだりして病院に行く必要があるかと思います。
患者側にとって、これは時に大きな負担であり、病院に行く時間が取れないことにより、診察が受けられず病状が悪化することにも繋がるかもしれません。
オンライン診療であれば、自宅または職場から診察を短時間で受けることができるため、病気の早めの発見または治療に繋がることができます。
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デメリット
このようにオンライン診療は、コロナ禍では素晴らしいアイデアでありますが、同時にデメリットが存在するのも事実です。デメリットについても3つご紹介します。
医療の正確性が下がる
1つ目のデメリットとしては、医療の正確性が下がってしまう可能性がある点です。
病院で診療する際にお医者さんは、問診の他に、聴診器を当てたり、喉の奥をライトで照らしたり、時には触診、採血、レントゲン撮影を行って総合的に病状を判断しています。
しかし、オンライン診療となると問診が主な診療手段となるので、把握できる情報が非常に限られてしまい、時には病状を正確に判断できないかもしれません。
医師との信頼関係を築きにくい
2つ目のデメリットとしては、お医者さんとの信頼関係が築きにくくなってしまう点です。
あなたもオンラインで生活していると感じるかもしれませんが、やはりオンラインよりはリアルで面と向かって会うほうが信頼感は増すと思います。
特にお医者さんのような自分のプライバシーを預ける存在はやはり信頼できる人のほうがいいと感じるのではないでしょうか。
しかしながら、オンラインで診療をしていると信頼感を築くというのは容易ではありません。
老人はオンライン環境に慣れていない
3つ目のデメリットとしては、オンライン診療が本当に必要なお年寄りの方がオンライン環境に慣れていないという点です。
オンライン診療は上で述べたようなメリットがいくつもあるのですが、そもそもオンライン会議ができるZoomのようなツールを利用できることが前提となってしまいます。
一方で、医療は若い人よりはお年寄りのほうが必要となることが多いです。
お年寄りはZoomのような新しいツールを使いこなせない方も多いため、そのような医療が必要な人に対してオンライン診療が届きづらいという問題があります。
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アメリカでオンライン診療を受けた患者の感想
ちょうど私の友人でアメリカに住んでいる妊婦さんがオンライン診療を受けたのでその例を紹介します。
みなさん御存知の通り、アメリカでは新型コロナウイルスが猛威を奮っています。
新型コロナウイルスが妊婦さんに感染することを防ぐため、妊婦検診は現在、オンラインで行われているようです。
この妊婦さんにお話を聞いてみたところ、妊娠中に車でわざわざ病院まで行く必要がなくなったというのは非常に助かった、ということでした。
他にも病院は待ち時間が多いので、その時間がなくなったことや、院内感染を気にする必要がなくなった、というのはとても大きなメリットだった、ということです。
日本ではまだまだ一般的ではありませんが、これから先、利用が広がることは間違いありません。
皆さんもオンライン診療のメリットデメリットを理解し、積極的に利用してみてはいかがでしょうか。
日本のオンライン診療に関する指針は厚生労働省公式サイトをご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/rinsyo/index_00010.html
30代大学教員 あっ君パパ
京都大学大学院修了 博士(工学)