⇒オンライン通信教育、おすすめプログラミング教室9選

小学生の英語学習。自宅でママが教えるコツを論文をもとに解説します。

小学生の英語学習、自宅でママが教えるコツ。

2020年小学校高学年への英語の教科化、中学年に対する外国語活動の必修化になりました。

しかし、「うちの子、これからは英語を頑張らなきゃいけないって言っているのに、なかなかやる気を出してくれなくて成績がイマイチ…」と悩んでいるママは少なくないでしょう。

そこで、今回は、染谷藤重先生(上越教育大学 講師)の論文「小学生英語学習の動機づけと傾聴力の関係性―自己決定理論の枠組みを応用して―」に基づいて、小学生の英語力を高めるための方策をご紹介します。

⇒英語で算数はarithmetic、数学はmathematicsでいいの?

小学生の英語学習で最も大切なのは聴解力

英語のスキルといえば、リスニング・スピーキング・リーディング・ライティングの4つが挙げられますが、小学生が特に鍛えたい能力はリスニングの力、すなわち聴解力であると言われています。

聴解力とは、音の識別や語の認識といった「知覚スキル」、文法的まとまりの認識や談話的なまとまりである表現と発話の認識といった「分析スキル」、言語要素とイントネーション、ストレス、ジェスチャーとの関連づけ、背景知識とコンテクストの使用、重要な単語の意味の想起といった「統合スキル」の総体です。

  • 知覚スキル
  • 分析スキル
  • 統合スキル

これらのスキルを鍛えれば、スピーキング・リーディング・ライティングのスキルの促進も期待できると言います。

なお、聴解力には、発話の断片を聞き取って積み上げていくことでその意味を理解する「ボトムアップ処理スキル」と、既に獲得している知識をもとに発話の意味を推測する「トップダウン処理スキル」の2タイプのサブスキルがあると考えられています。

小学生はボトムアップ処理スキルに頼る傾向があります。

しかし、ボトムアップ処理スキルのみならず、トップダウン処理スキルも身につけ、ボトムアップ処理スキルとトップダウン処理スキルの両方を同時に行えるようにならなければ、聴解力、ひいては英語力を伸ばすことはできません。

そのため、小学生が英語力を伸ばすための第一の課題は、トップダウン処理スキルを身につけることであると考えて良いでしょう。

聴解力は「自律的動機づけ」によって高まる

しかし、トップダウン処理スキルをはじめとする聴解力は、どうすれば高められるのでしょうか。

その答えは「自律的動機づけ」にあると考えられています。

自律的動機づけとは、同一視的調整・統合的調整・内的調整の3つの総称です。

同一視的調整

1つ目の同一視的調整とは、誰かに与えられた行為の目標やコントロールを意識的に価値づけ、その行為自体が自己の内部に受容され、個人的に重要なものとして認識されている心理状態を指します。

具体例としては、子どもが親に勉強をするように言われたとき、「勉強は必要だからやらなければ」と考えている状態が挙げられるでしょう。

統合的調整

2つ目の統合的調整とは、誰かに与えられた行為の目標やコントロールを意識的に価値づけるのみならず、自己が従来持っている価値観と統合させられている心理状態です。

具体例としては、子どもが親に勉強をするように言われたとき、「将来学校の先生になるためにも、勉強は必要だからやらなければ」と意気込んでいる状態が挙げられます。

内的調整

3つ目の内的調整とは、行為に従事すること自体が目的となっている、活動の目的に意義や価値が見出されている心理状態を指す言葉です。

具体例としては、親に勉強をするように言われなくても、子どもが進んで勉強をしている状態が挙げられます。

染谷先生が小学5年生384人、6年生326人の計710人を対象に自律的動機づけと聴解力の関係を明らかにするための調査を実施したところ、自律的動機づけが高い小学生は聴解力も高かったとのことです。

すなわち、小学生が英語力を高めるためには、自律的動機づけが重要であると言うことができるでしょう。

⇒小学生は海外のサマースクールに参加してSTEM教育を学ぼう。

自律的動機づけを高めるための4つのポイント

渋谷さんは、自律的動機づけを高めるためのポイントとして以下の4つを挙げています。

  • 子どもの話によく耳を傾け、子どもが自分自身のやり方で振る舞うことを許容する。
  • 学びが進歩したら見逃さずにほめたり、努力を認める情緒的な言葉をかけたり、何かにつまずいたらヒントを与えたりするなどして、子どものモチベーションを高める。
  • 「これは何の役に立つと思う?」と問いかけるなどして、今学習していることに価値を見出せるように促す。
  • 「この勉強はつまらない」など、子どもがネガティブな感情をあらわにすることを「まぁ、つまらないと思っても仕方がないよね」などと言って認め、受け入れる。

親が、これら4つのポイントをおさえた上で子どもの英語学習に向き合えば、子どもの自律性の欲求が満たされ、自律的な動機づけが高まっていくでしょう。

⇒自分から勉強する子になる方法。主体的に学べる人間に成長してほしい。

まとめ

研究専門と教育専門の大学教授がいる。アメリカと日本の違い

小学生が英語力を高めるためには、トップダウン処理スキルをはじめとする聴解力を鍛える必要があります。そして、聴解力を高めるためには、自律的動機づけを高めることが有効です。

わが子の英語力を高めたいと考えている人は、ぜひ、今回ご紹介した自律的動機づけを高めるための4つのポイントを実践してみてくださいね。

参考文献:小学生英語学習の動機づけと傾聴力の関係性―自己決定理論の枠組みを応用して― 染谷藤重(上越教育大学 講師)
https://core.ac.uk/download/pdf/322597767.pdf

この記事を書いたのは

ニックネーム:chopsticks

2児の母。

国立大学教育学部の大学院修了。

教育関連の学術論文を多数読破。

母親目線でわかりやすく学術論文を紹介します。