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英語を習得には視覚イメージが重要!東大の研究論文より

英語の習得は視覚イメージが重要。東大の研究論文より

小学校の英語教育必修化が開始

英語習得の重要性はますます高まっていますが、昨年からついに小学校の英語教育が必
修化されました。

現在、小学校3、4年生で年間35時間、5、6年生で70時間の授業が行われます。

日本人は英語が苦手と言われますが、世界各国に較べてほんとうに英語力で劣るのでしょうか?

国際教育事業を行うイー・エフ・エデュケーション・ファーストが発表する「EF EPI 英語能力指数」によると、日本は一昨年が49位、昨年が53位。2020年度版ではさらに順位を下げて、100カ国中55位という結果になりました。

「非常に高い」から「非常に低い」までの5段階評価の中、日本の英語力は下から2番目の「低い」となっています。東アジアでは韓国が32位、香港が33位、中国が38位と、いずれもかなり厳しい結果となっています。

実際に海外で暮らしていた私の経験から言うと、東アジア出身の方よりも日本人はずっと英語力が低いという印象があったので、このランキングはなかなか正しいのかなという気がしています。

小学校の英語教育導入の際には、日本語でしっかり考える力を養うことが先だという反論もありましたが、このように低い順位はこれ以上見過ごせなくないと言えるでしょう。

しかし、日本人はこれまでも中学校から長い時間、英語の授業を受けているのになぜ英語力が低いのでしょうか。

書店に行くと、「最短英語学習法」や「中学校だけでペラペラになる英会話」など、たくさんの参考書がと並んでいます。

英語の授業を小学校からスタートすることで、英語力を本当に高めることができるのでしょうか。

今回の記事では英語力を高める効率の良い学習方法についての研究を紹介します。

*文部科学省「小学校学習指導要領(平成 29 年告示)解説」:https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2019/03/18/1387017_011.pdf

⇒子供に英語を教えるコツは「自律的動機づけ」がポイント。

最新の研究では視覚イメージが重要?

東京大学・酒井邦嘉教授を中心とした研究グループがScientific Reportsという雑誌に投稿した論文について紹介します。

この論文では、新たな言語を習得する時に脳がどのように使われるかを明らかにしました。

今回の研究では、多くの人が英語などの第二言語を習得するだけでも四苦八苦している一方、三つの言語を話せるトリリンガルやそれ以上の言語を話せる人がいることに着目しています。

そして、トリリンガルの人がどのようにして学習しているのかについて研究を行いました。

実験では英語を習得した21人のバイリンガルと、英語、スペイン語を習得した28人のトリリンガルが、文法規則を一切教えられずに、カザフ語の音声と英訳のコンピュータ画面を見ただけで、カザフ語を習得します。

その際に脳のどの部分が使われているかをfMRI(機能的磁気共鳴画像法)で測定しました。

この結果、1)トリリンガルの方がカザフ語を短時間で聞き取れるようになることや、2)脳の言語野の働きが活発だったことがわかりました。

なんとなくですが、トリリンガルの人のほうが言語を学習するのが得意なイメージはありますよね。そのため、これらは予想できる結果といえるかもしれません。

しかし、ここからが興味深いところです。今回の実験では、音声だけを使った学習だったのですが、トリリンガルの方が脳の視覚野を強く使っていることがわかりました。

どうやらトリリンガルは言語を学習する際に視覚イメージを使って言語を習得しているようです。

研究ではさらに、英語とそれ以外の言語を同時に習得する方が相乗効果が上がることも示唆しています。

これは複数の言語を学習することにより、よくある言語パターンを理解しやすくなるからだ、とされています。

トリリンガルの人が具体的にどのような視覚イメージを利用して学習しているのかについては今後の調査が必要ですが、言語を学習する時に視覚イメージを利用するというのは目からウロコですよね。

多くの日本人は英語だけを日本語と対比させて学習してきましたが、もしかするとそれが習得を困難にしてきたのかもしれません。

思い切って、英語とそれ以外の言語を同時に勉強してみることや、視覚イメージを使った効率的な学習をすることで語学習得がより簡単にできるようになるかもしれません。

*「外国語習得の脳科学的効用」に関する研究論文
Keita Umejima, Suzanne Flynn, Kuniyoshi L. Sakai*, “Enhanced activations in syntax-related regions for multilinguals while acquiring a new language,” Scientific Reports (Nature Portfolio Journal): 2021年3月31日, doi: 10.1038/s41598-021-86710-4.
Enhanced activations in syntax-related regions for multilinguals while acquiring a new language | Scientific Reports (nature.com)
https://www.u-tokyo.ac.jp/focus/ja/press/z0109_00003.html

英語を習得するためにはどんな方法がある?

最後に、私が個人的に英語を学習してきて役に立った方法を紹介します。

今回紹介する方法は、「外国人と英語で話すことができる」というところを目標にした場合についてです。

この場合、1)まずは相手が言っていることを正しく聞き取ること、2)それから自分の言いたいことを相手に伝えること、の2点が重要になります。

まずは1)を訓練するためには、耳を英語モードにすることが大切です。そのため、ポッドキャストで英語のニュース番組を聞いて学習していました。

今回の研究から視覚イメージが重要だということがわかったので、ニュース番組を聞きながら映像をイメージしてみるとより習得しやすくなるかもしれませんね。

次に2)を学習するためには、英会話の実践数を増やすことが大切です。

私が学習していたときにはありませんでしたが、最近では英語を学習したい日本人と、日本語を勉強したい外国人をマッチングさせるようなサービスも出てきています。

そういったサービスを利用して英会話をできるだけ毎日話す機会を作ると良いでしょう。

この記事を書いたのは

大学の先生

30代大学教員 一児の父

京都大学大学院修了 博士(工学)

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