不登校の小学生Youtuberが話題になったことがありましたね。
この小学生は沖縄県の小学校に在籍する10歳の小学5年生(当時)ですが、小学校に行くことを拒否しYoutuberとして活動していくことを宣言しており、それが世間の話題となっていました。
Youtuberとして生きていくことに対しての意見は述べませんが、ここでは小学校に行かないことを選択した場合、どのような支援策があるのかということについて、アメリカ在住の大学教員が解説します。
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アメリカのホームスクーリング制度
アメリカでは何らかの事情で学校に行くことができない、もしくは行かないことを選択した学生のために、ホームスクーリングというシステムがあり、無理に学校にいかなくても良いような仕組みができています。
また、法律としてもホームスクーリングを選択することが法律として認められています。
アメリカにおいて、学校に行かない理由として挙げられるのは、回答の多い順に以下のようになっています。
- 自宅で学校よりもレベルの高い授業を受けるため
- 信仰上の理由
- 学校の授業の質が低いため
- 家庭の理由
- 個性を尊重するため
日本で考えられているようないじめが原因でホームスクールを選択するというのは全体の10%以下となっています。
実際にアメリカの大学入試テストであるSATなどのスコアを見ると、ホームスクールで学習した生徒は平均以上の成績を収めているそうです(Brian D.Ray 2015)。
さらにホームスクールを選択する生徒の数は年間2〜8%の割合で増加しています。
このようにアメリカにおけてホームスクールを選択する理由と、日本で一般的に考えられているようないじめや不登校、健康上の問題などに代表される学校に行かない理由とは少し異なります。
アメリカのホームスクーリング、特徴と傾向
https://www.census.gov/library/working-papers/2001/demo/POP-twps0053.html
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ホームスクーリング以外の不登校支援策
アメリカの不登校学生はホームスクール以外にはどのような支援策があるのでしょうか?
ここでは、オルタナティブスクールとオンラインスクールについてご紹介しょうと思います。
オルタナティブスクール
オルタナティブスクールのオルタナティブは「代替」という意味で、一般的な学校の代わりに一時的にオルタナティブスクールに通い、一般的な学校に戻れるように支援するのが目的です。
画一的な教育ではなく、各生徒に合わせた柔軟で多様性のある教育を行うのが特徴です。
一般的な学校よりも、教師に対する生徒の割合が低く、心理カウンセラー、精神科医、日常生活で問題や不安を抱える人々を専門的に支援するソーシャルワーカーが学校に常駐しているので、学費が一般的な学校よりも高くなります。
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オンラインスクール
オルタナティブスクールよりは手厚くはないですが、学費が安いオプションとしてオンラインスクールがあります。
その名の通り、オンライン上のカリキュラムに沿って勉強する方法です。
場所を選ばず、自分のペースででき、学校で行う勉強の他にも様々な分野のカリキュラム(例:宇宙学、哲学、考古学など)にアクセスできるのが特徴です。
ただし、ほとんどのオンラインプログラムは高校または大学レベルを対象としており、小・中学生のための支援はまだまだ手薄なのが現状です。
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日本でもホームスクーリングはあるの?
では日本にもアメリカのようなホームスクーリング制度は存在するのでしょうか?
結論から言うと、日本ではホームスクーリングは明確な制度としては存在していません。
より正確にいうと、日本の法律ではホームスクールというシステムは違法ではありませんが、推奨もされていないのです。
アメリカではこれまでの歴史的な経緯から学校に行かないという選択肢が法律や制度として存在しますが、日本ではそもそもホームスクーリングという選択肢が十分に議論すらされていないというのが現状です。
これまでの日本の教育制度では学校に行くことが当たり前で、家で勉強するということがそもそも考慮されてこなかったためです。
このように日本ではホームスクーリングが制度として存在していないため、不登校やホームスクールを選択する子供に対する支援策が十分に存在していないというのが現状です。
一方で、学校に行くことは子供の権利であるため、子供が親に「学校に行きたい」と言えば親は学校に行かせる義務があります。
これが義務教育の「義務」の意味です。
また、子供が「学校に行きたくない」と言えば行かせる必要はありません。
そのため、現状では子供が不登校になって、学校に行かずに家などで勉強をする、これ自体が日本においてホームスクーリングと呼ばれてる状態です。
このことからも明らかですが、日本とアメリカではホームスクーリングに関する状態はかなり大きく異なっています。
日本ではまだまだホームスクーリングに対する理解や制度支援が成熟していないですが、今後、子供の教育に対する要望が多様化していくにあたって子供が自分のペースに合わせてリラックスして勉強できるホームスクールは重要なポイントとなってくるかもしれません。
そんな中、文部科学省は不登校でも7つの要件を満たせば出席扱いにする方針を表明しました。
オンライン学習「すらら」は7つの要件を満たしている。2019年は6割の子供が出席扱いと認定されました。
関連ページ「すらら」の詳細をまとめました。
すららに資料請求したら、発達障害と不登校のピンポイントの資料が届いた。
そう、欲しいのはこう言うアドバイス。
去年から悩んでたけど、今年はチャレンジすることにした。#不登校
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【参考文献】
(1)Home schooling in the United States: trends and characteristics.
Bauman, J. K.
2001, U.S.
Population Division, Working paper series No.53
30代大学教員 アメリカ在住
京都大学大学院修了 博士(工学)