子育てをしているとさまざまな情報が入ってきますよね。
その中でも気になるのが「子どもはしつけのために叱ることが大事」だとか「子どもはとにかく褒めましょう」という話です。
どちらも正しいのですが、どちらも間違っています。
なぜそう言えるのでしょうか。どんなこともそうなのですが、どちらか一方に偏るのは健全ではありません。
必要なのは「褒めること」と「叱ること」を上手に使い分けることです。
このページでは元塾講師で2児のママであるわたしの経験から、褒めることと叱ることだけでになってしまった場合の弊害と、どのように組み合わせたらいいかの方法を紹介します。
*イラストのミニゲームを親子でやってみよう。
関連ページおすすめ小学生の通信教育はどこ?紙教材からオンラインまで
関連ページ子どもの自己肯定感を伸ばすには?
もくじ
子供は叱るだけではダメな理由
間違ったことをしたら叱る、できなかったら叱るというのはダメです。
そもそもなぜ叱るのでしょうか。
親が叱る理由は間違ったことを改めて欲しい、できなかったことをできるようにしてほしいからですよね。
しかし、子どもたちは叱られると叱られないようにしようとするのではなく、隠そうとする傾向があります。
特に叱られても直すことが難しいものについてはそうです。
例えば「テストは毎回いい点を取りなさい」と言われていたとします。
毎回、良い点を取るために努力をするわけですが、いい点数が取れないこともありますよね。
そうした場合、さらに勉強する子もいますが、叱られると分かっていたら、そのテストを隠そうとします。
私(元塾講師)が実際に教えている子どももそうでした。他にも点数の改ざんをした事例もあります。
他にも宿題で問題が発生します。
宿題を忘れたり、やらなかったりすることはよくあります。
その時に「何でやらなかったんだ!!」と怒ると、次から宿題をやってくるのではなく、「宿題をやったけど忘れた」というようになります。
ちょっとカバンを整理するとノートが出てきて、実際にはやっていなかったということがほとんどです。
結局、叱るだけではできないことができるようにはなりません。
できないことをできるようにするには、具体的にどうすればできるようになるのか、その方法を指示してあげた方が良いでしょう。
宿題ができないのであれば塾でやる、忘れ物が多いのであれば、チェックシートを作って管理する。
褒める子育てのデメリット
叱るのがダメなのだから、褒めればいいのでは?となるかもしれませんが、物事はそれほど単純ではありません。
子供は何でも褒められると褒められないとダメだとなっていきます。
例えば先ほどのテストの例ですが、100点を取って偉いねえと言われ続けると、100点以外は取れなくなってしまいます。
100点以外はダメだと自分で思い込んでしまうんですね。
そうするとどうなるかというと、叱られた子と同じ行動をします。テストを100点に変えてしまうのです。
褒められるためにがんばるというのは、時に子どもを苦しくしてしまいます。
ママの期待に応えないといけないとがんばるわけですが、その期待がプレッシャーになるわけです。
実際にそうしたご家庭のお子さんで不登校になる子が何人かいました。
小学校のうちはそんなに勉強も難しくないので、いつも良い点がとれます。しかし、学年が上がってくると、だんだんと点数が取れなくなるのです。
そうするともう誤魔化しようがなくなります。いつも点数が取れる良い子ではなくなってしまうのです。
お母さんはそんなプレッシャーをかけたつもりはないかもしれません。しかし、子供はママの期待に応えようと必死でした。
それに答えられないと分かった子どもは自分をダメだと思ってしまうんですね。何でも褒めるというのもダメだということです。
関連ページ非認知能力の鍛えるにはどうしたらいいの?
子供を叱るとき
本当に叱っていいときそれほど多いわけではなりません。ここでは2つ紹介します。
叱り方としては必ず理由を述べて叱るようにしましょう。どうしても感情的になりがちですが、そこは抑えて叱るようにしてください。
危険があるとき
危険があるときは叱る必要があります。
車が近くに迫っている時、そのまま道に飛び出しては危険ですよね。
そうした場合はなぜ危険なのかを説明したうえで叱るようにしましょう。
私も学習塾で教えている時に、鉛筆を手に持ったまま、友だちと遊んでいる子どもに対して叱ったことがあります。
鉛筆が目に刺さってしまったら大変なことです。
子どもたちは最初、ふざけているように見えても、途中からケンカになることがあります。
突如スイッチが入るのです。そうするとけがをする場合もあります。
そのため、危険が少しでも感じられたらすぐに叱るようにしていました。特に男の子同士はそうしたことが多いです。
他人に迷惑をかけたとき
他人に迷惑をかけるというのは、友だちを叩いてしまったときや悪口を言ってしまったときです。
子どもなので人に迷惑をかけることはあります。しかし、迷惑をかけたときにしっかりと謝れるようになるべきです。
そうした時にはきちっと叱って謝罪をさせるようにしましょう。
子供を褒めるとき
褒める時はたくさんあると思います。ちょっとしたことでも褒めることがありますよね。
それは辞めた方がいいというわけではなく、そういうことができる人はそのまま継続してください。
ただ褒める時が分からないという人は以下の時に褒めるようにしてみましょう。
一生懸命やっている時
子どもが一生懸命やっている時があります。これは勉強だけでなく遊びでも良いです。
とにかく一生懸命やっている時は褒めてあげましょう。
その際に注意すべきは結果について褒めないということです。頑張っている過程そのものを褒めてあげるようにしましょう。
得意なことをやっている時
得意なことをやっている時、子供は素晴らしい才能を発揮します。
ここで褒められるとさらにやる気になるでしょう。得意なことを続けていれば、やがて才能が開花することも多いです。
子供が得意なことをやっている時は邪魔をしないように、ママはところどころで褒めてあげるようにしましょう。
関連ページ子どもの脳は3歳までに80%成長する!本当なのか研究論文を調べてみた。
割合なんて気にしない!偏らなければ大丈夫。
前述したように褒めることと叱ることは上手に使い分ける必要がありますが、その明確な使い分けは難しい部分もあります。
子どもの対応の中には叱ることと褒めることだけではありません。
話をただ聞いてあげること、一緒に笑ってあげることなど他にも対応の仕方はたくさんあります。
そういう意味ではママはどちらからに偏らないことを心がけてくださいね。
子供の褒め方叱り方まとめ
褒めることと叱ることの使い分けについては、基準はあるものの実際に子育てをしている中で、使い分けることは難しい部分もあります。
時には感情的に叱ってしまうこともありますよね。
ただし、そうした場合でも子供にしっかり謝れば大丈夫です。ここで上げた基準を意識しつつ、褒めることと叱ることを使い分けながら子育てをしていきましょう。
関連ページ子供のアンガーマネージメント。小学生にもできる感情をコントロールする訓練法。
じゅん君ママです。
2児の母。大学院修了(博士)。
学習塾にて9年間中学受験の指導をしていました。