あなたは失敗と聞いてどのようなイメージを持ちますか。失敗という言葉によいイメージがある人は少ないと思います。
しかし失敗は、人生において必要なものです。失敗があるからこそ成功があるといっても言い過ぎではありません。失敗を恐れてしまうと、挑戦をしなくなり、成功もできないということになりかねません。
失敗を恐れて挑戦しないという原因のひとつが、「失敗は悪いことである」という意識が強くあるからです。
ではなぜそのような意識が根付いてしまっているのでしょうか。またどうすれば失敗しても挑戦できるようになるのでしょうか。
ここでは子供たちに失敗しても挑戦してもらうために、先回りしない子育てをするために必要なことを紹介します。
関連ページ幼児教育は失敗?論文からメリットとデメリットを解説。
もくじ
子供が失敗を嫌がる理由
先ほどから述べているように、失敗というものは悪いものというイメージがどうしてもあります。その理由のひとつは、成功はよいもので、失敗はダメという考えがあるからです。
たしかに成功した方がよいわけですが、成功するためには失敗を繰り返すのが一般的でしょう。しかし失敗すると、「なぜ失敗したの」と怒られたり、責められたりすることが多いです。
たとえば社会に出て失敗すれば、「誰が失敗したのか」と責任を追及されます。学校であれば、テストの点数が悪ければ失敗だと言われ、「なぜ失敗したのか」と言われるわけです。
このように失敗する事は悪いことだと思われているため、子供時代から失敗しないようにと行動していくわけです。
失敗しないように行動するとどのようなことが起こるかというと、自分で何かをしようと思わなくなります。
つまり何かをするときに、最初から成功することを目指そうとするのです。結果として、失敗を恐れ、新しいことはほとんどできなくなってしまうのです。
子供にいっぱい失敗させる
社会に出ると、失敗することで会社に迷惑をかけることもあります。それでも失敗はつきものであり、アマゾンやGoogleでも失敗することがあるわけです。
しかし子供時代から失敗がダメと思っていると、新しいことに挑戦できなくなります。つまり子供時代にどんどん失敗を体験することがとても大切なのです。
失敗を恐れなくなることで、大人になってから失敗しても、挑戦できるようになります。
しかし子供時代であっても、失敗はダメだと思われているため、子供に失敗させないようにと、どんどん親が先回りして助けてしまいます。
そうすると失敗する経験がなくなってしまうので、大人になってからも失敗が怖くてチャレンジできなくなってしまうのです。
小さい頃、とくに幼児期から必要であるのは、先回りしない子育てだと思います。
ではどのようにすればよいのでしょうか。
過干渉はダメ!失敗させない親は要注意
子育てにおいて「先回りしない方がよい」と聞いたことありませんか?
しかしどのようにすればよいかとなると、実践するのは難しいという母親の声が多くあります。
ここでは先回りしない子育てとして大切なことを3つ紹介します。
失敗すると分かっても手を出さない
先回りしない子育てとして重要なのは、失敗すると分かっていても手を出さないことです。
もちろんケガにつながるようなことは、先回りして防いであげる必要があります。
しかしケガ以外のことで、たとえばこのまま遊ぶと洋服が汚れてしまうとか作ったものは壊れてしまうなど、失敗しても大きな影響がないようなものに関しては、失敗すると分かっていてもそのまま見守ることが必要です。
見ている方としては、どうしても手を出したくなります。大人が見れば、このままいけば必ず失敗するとわかります。
遊びでもそうですが、勉強でも同じです。その解き方だと解けないよなと分かっていても、あえてその解き方をさせてみる必要があります。
自分で失敗することで、何がいけなかったのか考えたり、次に成功するために必要なことを考えたりできるようになるわけです。
失敗させないように先回りしてしまうと、子供たちが成長する機会を奪ってしまうとも言えます。
ケガにつながるようなことは先回りせざるをえませんが、ケガ以外のことに関しては我慢して見守っていくことが必要になってきます。
>>メタ認知とは?自宅でできる能力を鍛える簡単トレーニング具体例。
とにかく待つ
失敗するかどうかわからない場合でも、先回りしてしまうことがあります。
先回りしてしまう例のひとつは、時間制限がある場合です。
すぐに出なければいけないとか、すぐに支度をしなければいけないという場合、親が先にやってしまうことがあります。
こうした場合については仕方がない部分もあるわけですが、もう少し待てる場合に関しては、待ってあげたほうがよいでしょう。
そうすることで自分なりに失敗しながらも考えてやれるようになってきます。
身支度など、なかなか自分ではできないかもしれませんが、それでも本人にやらせながら失敗しても待ち続けるような姿勢は大切なのです。
他の子の失敗にも寛容になる
自分の子供の失敗に寛容になるということは、他の子の失敗にも寛容にならなければなりません。
たとえば他の子が自分の子供と喧嘩してしまう場合もあるかもしれません。
そうした場合に、お互いの親が相手の子供の失敗に寛容でなければ、どちらかの親が子供同士の喧嘩を止めに入ってしまいます。
もちろんケガするような喧嘩はダメですが、ちょっとした争いやいざこざは、子供には多くあります。
そこでうまくコミュニケーションがとれなかった時に、自分でうまく解決できるようになることも大切です。
自分の子供のことだけでなく、他の子供の失敗にも寛容になりましょう。
そうすることで子供のためだけではなく、子供を育てる親にとっても、とても気持ちが楽になるでしょう。寛容になることは親にとってもよいことですよね。
関連ページ勉強嫌いの子どもが塾を辞めたいと言ったとき親が考えること
「子どもは失敗を体験することで成長する」まとめ
子供たちは失敗することで学び、改善し、そしてまた挑戦できるようになります。
しかし失敗させないようにと先回りしてしまうと、成功ばかりを追ってしまい、結局何もできなくなってしまうのです。
親の立場としては、失敗はなるべくさせたくないので先回りしそうになります。
しかし先回りすることで子供が学ぶ機会を奪っていると考えて、少し我慢して見守ってあげることも必要なのです。
【参考文献】
西野博之「居場所のちから―生きてるだけですごいんだ」
文部科学省「令和2年度青少年の体験活動に関する調査研究結果報告 ~21世紀出生児縦断調査を活用した体験活動の効果等分析結果について~」https://www.mext.go.jp/content/20210908-mxt_chisui01-100003338_2.pdf
じゅん君ママです。
2児の母。大学院修了(博士)。
学習塾にて9年間、中学受験の指導経験あり。