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本「読み聞かせ」効果の科学的根拠について研究論文を調べてみた。

読み聞かせの効果、科学的根拠を研究論文で調べた

絵本の読み聞かせが大切という話は、子育てをしている方なら誰でも聞いたことがあるのではないでしょうか?

子ども4人が東大医学部に入学したことで有名な佐藤ママこと佐藤亮子さんは、毎日10冊の絵本を子ども全員に読み聞かせていたと話されています。

読み聞かせが大事なことはわかるけれど、仕事や子育てに忙しくて余裕がなく、ついついスマホやタブレットに頼ってしまうという方もいるかもしれません。

そもそも、読み聞かせにどのような効果があるのでしょうか?今回の記事では、読み聞かせの科学的効果についてご紹介します。

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読み聞かせの学習効果

読み聞かせと学習効果の関係を調べた研究はこれまで多数報告されています。

ここではその関係のうち代表的な3つの側面についてご紹介します。

読み聞かせと語彙

語彙、言葉の種類が増える

まず一つ目は読み聞かせと語彙の関係です。

文部科学省では脳科学の知見から、読み聞かせは語彙の獲得に効果があると報告しています。

語彙の獲得には脳の側頭葉という部分が関係していますが、側頭葉は早くから大人と同じような働きをするとされています。

そのため、話すことができない幼児期から読み聞かせを行うことで、語彙を増やすことができるそうです。(1)

読み聞かせでどの程度、語彙力が増すのかについては、脳トレで有名な東北大学・川島隆太所長が調査を行っています。

その結果、3歳から6歳までの平均4歳半の子どもに読み聞かせを行ったところ、2ヶ月間で6ヶ月相当の語彙が伸びたことがわかりました。(2)

読み聞かせと読書量

読み聞かせと読書量

二つ目は読み聞かせと読書量との関係です。

文部科学省では全国5,880名の小、中、高校生と保護者に対して読書に関する調査を行いました。

その結果、読み聞かせ期間が長かった生徒ほど、読書量が多くなることが明らかになりました。(3)

読み聞かせと学力

読み聞かせと学力の関係を説明する女の子

三つめは読み聞かせと学力の関係です。文部科学省の調査によると、小さい頃に読み聞かせを積極的に受けた小・中学生ほど学力が高いという結果が出ています。

しかも、国語だけでなく読解力を必要とする算数や数学の学力も高いということです。

この調査では小さい頃の読み聞かせだけでなく、読書が好きな小・中学生ほど学力が高いこともわかっています。

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学習効果のまとめ

読み聞かせの学習効果、研究論文

これらの調査から、読み聞かせは語彙力を増やし、読書習慣を身につけることができる。

読書によって得た読解力で、学力が高くなることがわかります。

つまり、読み聞かせには学力を高める効果があると言えそうです。

読み聞かせが言葉の学習に効果的というイメージはありましたが、研究結果としても同じ結果が得られているということです。

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読み聞かせの情緒面での効果

次に読み聞かせの情緒面の効果はあるのでしょうか。

子どもの不安な気持ちが減る

読み聞かせの効果、不安な気持ちが軽減される

東北大学・川島所長は、読み聞かせによる情緒面の変化も調査しています。

2ヶ月間の読み聞かせによって、子どもの不安や抑うつなど感情的な問題が減ることがわかりました。

さらに驚くことに、子どもだけでなく読み聞かせを行った母親のストレスも減少したそうです。

読み聞かせという親子の触れ合いによって、親子の愛情が育まれたのかもしれません。

親子の触れ合いが大事な役割を果たしているとすると、スマホやタブレットを使った読み聞かせでは情緒面の効果は少ないかもしれません。

心が癒される

ママは子どもの笑顔に癒される

これ以外にも、NIRSという手法によって、読み聞かせを行った時の脳の血流の変化を調査した研究があります。

脳の前頭前野は感情のコントロールをつかさどっている部分ですが、前頭前野の血流が下がることは、心が癒されている状態とされています。

泰羅雅登・東京医科歯科大大学院元教授は、母親から絵本の読み聞かせを受けている子どもの脳の血流を計測したところ、前頭前野で血流が減少したことがわかりました。(4)

つまり、絵本を読み聞かせするとこで、心が癒やされた状態になっていると考えられます。読み聞かせの情緒面への効果は脳科学的に解明されていたんですね。

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大人にもよい効果あり!

本が大好き、大笑いして気分転換する女性

さらに、読み聞かせは大人にも効果があることがわかっています。

徳島大学・森慶子博士が大学生、大学院生13名に絵本の読み聞かせによる前頭前野の変化をNIRSで調べたところ、血流が減少する結果となりました。

つまり、大人も読み聞かせを受けることで心が癒されるのです。(5)

読み聞かせが精神を安定させる効果があることから、いじめや不登校の解消のために授業に取り入れている中学校もあるそうです。

絵本の選択や読み方にはコツがある

読書が大好きな幼児と子供

読み聞かせが子どもの成長に良い上に、親の気持ちも和らげてくれるなら、時間をやりくりしてでも読み聞かせの時間をつくりたいものですね。

ところで、読み聞かせにも上手な方法というのがあるのでしょうか?

文部科学省は「絵本で子育てを楽しく」というパンフレットを発行しています。(6)

年齢別の読み聞かせの方法や、落ち着きがない場合の対処法など、具体的なアドバイスが書かれています。

  • 0歳~2歳頃:音やリズムを楽しもう。
  • 2歳~6歳頃:ことばやジャンルを広げよう。ことばの数が増えてきて会話ができるようになります。

インターネットで見ることができるので参考にするのも良いと思います。

また、図書館で司書の方に尋ねれば、子どもにあった絵本を選んでもらうこともできます。

季節は読書の秋です。この週末は子どもと一緒に図書館に行ってみてはいかがでしょうか。

【参考文献】
(1)文化審議会答申(2004)『これからの時代に求められる国語力について』文化審議会答申(2004)https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/toushin/04020301/015.pdf
(2)川島隆太(2018)『最新脳科学でついに出た結論「本の読み方」で学力はきまる』青春出版
(3)財団法人日本経済研究所(2004)『親と子の読書活動等に関する調査』https://www.mext.go.jp/a_menu/shougai/tosho/houkoku/05111601/001.pdf
(4)泰羅雅登(2009)『読み聞かせは心の脳に届く』くもん出版
(5)森慶子(2015)『「絵本の読み聞かせ」の効果の脳科学的分析』読書科学56巻2号https://www.jstage.jst.go.jp/article/sor/56/2/56_89/_article/-char/ja/
(6)文部科学省『絵本で子育てを楽しく』https://www.kodomodokusyo.go.jp/yomikikase/index.html

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この記事を書いたのは

大学の先生

30代 一児のパパ

京都大学大学院修了

博士(工学)