「子どものよいところを伸ばしてあげたいけれど、具体的にどうすれば良いのかがわからない…」
このような悩みを抱えているママパパは多いですよね。
もしかすると、「そもそも子どものよいところが見つけられない…」と悩んでいる人もいるかもしれません。
そこで、今回は田中花子先生の論文「子どもの「よいところを伸ばす」関わり方をうながす教育実践研究―WISC―Ⅳを用いたアセスメント方法―」に基づいて、子どものよいところを伸ばす関わり方をご紹介します。
子どものよいところを最大限伸ばしてあげたいと考えている人は、ぜひご覧ください。
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もくじ
子どもを変えられるのは先生ではなく親です。
学校や塾などで素晴らしい先生にめぐり会うことができれば、子どもをより良い方向に導いてくれると考えているママパパもいるかもしれませんね。
たしかに、親以外の大人の影響力というものは計り知れないほど大きなものです。
しかし、いくら高名な先生の手厚い指導を受けることができたとしても、家庭で保護者から十分な愛情を受け、心の安らぎを得ることができていなければ、子どもは自分のよいところを存分に伸ばすことができません。
ちょうどマズローの欲求5段階説で低階層の欲求が満たされなければ高次の欲求が生じないと言われているように、保護者による適切な関わりがなければ、学校や塾の先生の関わりにはそれほど大きな効果を期待できないのです。
子どものよいところを伸ばしたいと考えるのであれば、まず何よりも保護者である親が「子どもを変えられるのは自分」であるという自覚を持ちましょう。
子どもにとってより良い先生を探すことは最後の最後。後回しにしてください。
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子どものために親が変わろう
ネガティブな発言はダメ
「子どもを変えられるのは自分」という自覚を身に付けたら、今度は自身の子どもとの関わり方を見直してみましょう。
感情に任せてむやみやたらに怒鳴り散らすようなことをしていないか、「なぜこんな簡単なこともできないの?」などと非難ばかりしていないか、自分の子どもに対する普段の言動を反省してみてください。
罵倒や非難ばかりでは子どものよいところを伸ばすことはできません。
このようなネガティブな関わり方ばかりしていると、子どもは委縮してしまい、ますます力を発揮できなくなってしまいます。
ポジティブな声かけが大事
子どものよいところを伸ばすためには、ポジティブな声かけが重要です。
たとえ子どもが良い成績をおさめられなくても、「よく頑張って勉強していたよね」と努力していたことを褒め、頓珍漢で正答とは程遠い答案があったとしても「目の付け所が違うね」「ユーモアセンスがあるね」と発想の柔軟さや面白さを褒めてあげてください。
また、普段の生活においても、子どもが家事を少しでも手伝ったら「ありがとう」「助かったよ」などと感謝の言葉を忘れずにかけ、
子どもが兄弟や友人などとうまく折衝しながら遊んでいたら「優しいね」「相手の気持ちを考えられて偉いね」などとその心根を褒めてあげましょう。
保護者である親がこのようなポジティブな声かけを積極的に行えば、子どもの自己効力感や自己肯定感が高まり、子どもは褒められたよいところを更に伸ばそうと頑張ることができるようになります。
*自己効力感とは:自分がある状況において必要な行動をうまく遂行できると、自分の可能性を認知していること。
親が子どもへの関わり方を見直し、積極的にポジティブな声かけを行うように変わることができれば、子どものよいところはみるみるうちに伸びていきます。
子どもが大きくなってからはあまり話さなくなったという人は特に、積極的にポジティブな声かけを行うように心がけてみてください。
子どもの表情がどんどん明るくなり、あっという間にさまざまな物事に積極的に取り組める活力あふれる子に成長を遂げるはずですよ。
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学校や塾の先生に子どものよいところを教えてもらおう
子どものよいところを褒めてあげたいけれど、どこをどのように褒めればよいのかよくわからないというママパパもいるでしょう。そのようなママパパは、ぜひ学校や塾の先生に子どものよいところを聞いてみてください。
学校や塾の先生との面談となると、子どもの弱点や苦手の話ばかりしてしまう人は多いかもしれません。そのようなネガティブな話はほどほどにし、子どもの強みや得意なことなど、よいところを積極的に聞き出すように心がけてみてください。
子どもが親に見せている顔と学校や塾の先生に見せている顔とは、多少なりとも異なっているもの。そのため、学校や塾の先生は、親が知らない子どものよいところをたくさん知っている可能性が高いです。
子どものよいところがわからずに悩んでいる人はもちろん、子どものよいところをもっともっと伸ばしてあげたい人は、学校や塾の先生の協力を仰いでみてください。
自分が知らない子どものよいところを、思った以上にたくさん知ることができるでしょう。
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「子どものよいことをを伸ばす」まとめ
かつて太平洋戦争で元帥海軍大将として世界に名を馳せた山本五十六は「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」という格言を残しています。この言葉のとおり、人は褒められなければ前に進むことができません。
そして、子どもに対して褒めるという魔法の効果を最大限発揮できるのは、ママパパ以外の誰でもありません。
子どもが学校から帰ってきたとき、夕食を食べているとき、頑張って勉強をしているとき、ゲームなどで遊んでいるとき、「おやすみ」と挨拶をするとき、ほんの一言で良いので、1日1回、子どものよいところを褒めるように心がけてみてください。その積み重ねが、いつか大きな花を咲かせることでしょう。
参考文献:https://ir.lib.shimane-u.ac.jp/files/public/3/31727/20170425040057422468/b014003006.pdf 子どもの「よいろころを伸ばす」関わり方をうながす教育実践研究 : WISC-IVを用いたアセスメント方法 田中花子(島根大学)
ニックネーム:ちぃちゃんママ
2児の母。
国立大学教育学部の大学院修了。
教育関連の学術論文を多数読破。
母親目線でわかりやすく学術論文を紹介します。