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ギフテッドの特徴。子供の見分け方と才能を開花させる方法。

ギフテッドの特徴

小学生でプロ棋士になったり、勉強しなくても試験はいつも満点という人の話を聞くとうらやましくなりますね。このような生まれつき高い知能や才能を持つ人は、天から才能を与えられたという意味でギフテッドと呼ばれています。

その中でもIQが130を越えるような人は、音楽やスポーツに秀でた人と分けて、「知的ギフテッド」と呼ばれます。

IQが130を越える割合は全人口の2~3%程度と言われますので、日本には300万人前後のギフテッドがいることになりますね。40~50人に一人というと、意外と身近にギフテッドがいると思いませんか。

ギフテッドは子供の頃から才能を発揮しますが、どんな特徴があるのでしょうか?

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ギフテッドの特徴

ギフテッドのIQ

ギフテッドの中でもランクがあります。

  • IQ115から129が低程度のギフテッド
  • IQ130から144が中程度のギフテッド
  • 145から159が非常に高度なギフテッド
  • 160から179だと並外れたギフテッド

IQ180以上であれば、最高クラスのギフテッドと認定され、アメリカの場合は国が認定するギフテッド関連機関での特別プログラムが受けられます。

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ギフテッドのIQ以外の特徴

ギフテッドの特徴あり?5歳児

一般的にギフテッドチャイルドはIQが高いだけではない特徴を持っています。

滋賀大学・林睦教授がアメリカで作成されたギフテッドのガイドブックを翻訳しています。

その中で、ギフテッドの一般的な特徴として、以下のことがあげられています。

  • 幼少時から並外れた集中力を持つ
  • すばやく学ぶ、理解する
  • 記憶力が良く、たくさんの情報を持っている
  • 年齢の割に数多くの難しい語彙を持ち、複雑な文章を構成できる
  • 言葉のニュアンスや比喩を深く理解しており、抽象的な概念を理解するのが得意
  • 数学やパズルが得意
  • 幼少期から文字の読み書きを教えなくても自分で学んでしまう
  • 感情な並外れて深く、反応が強く情熱的、非常に繊細
  • 抽象的・複雑・論理的な思考を好み、洞察力が鋭い
  • 幼少期から正義を重んじ、理想主義者である
  • 社会問題、政治に興味があり、不正を批判する、権力に反発する
  • 強い集中力が長く持続する
  • 妄想や白昼夢にふける
  • 他人の不正や処理スピードが遅いことが許せない
  • 練習や繰り返しをあまりせずにすぐ覚えることができる
  • 教えられたことを超えて質問する
  • 幅広い好奇心(非常に興味のあることがひとつの分野のみのこともある)
  • 非常に深い興味を持つ、質問がとまらない
  • 実験的でやってみることに興味があり、人と違った方法でものごとを解決する
  • 普通ではない方法で考えものごとを結び付ける(発散的思考)
  • 鋭く、ときに並外れたユーモアのセンスがある。特にダジャレなど
  • 複雑なゲームやスキームで、物や人を組織したいと考える
  • 幼少期に空想の友達がいる。いきいきとした想像力をもつ

*引用:「ギフテッドの概念と日本における教育の可能性」滋賀大学教育学部紀要 第67号(2017)
https://shiga-u.repo.nii.ac.jp/index.php?action=repository_view_main_item_detail&item_id=1887&item_no=1&page_id=13&block_id=21

また、ギフテッドはいわゆる秀才とは異なります。

たとえば、秀才と言われる子どもには読書好きが多いですが、ギフテッドの子どもは食事や睡眠を忘れるほど夢中になって本をむさぼり読むことが多いとされています。

▼繊細な子でもなじみやすい学習システム▼

早期教育でギフテッドになることはない

どうやって見分ければいい?

このような特徴を後天的に得ることは難しいとされています。

つまり、早期教育などの後天的な教育で子どもがギフテッドに成長することはないわけです。

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ギフテッド見分け方(子供向け診断テスト)

ギフティッド-ADD/ADHDチェックリスト

ギフティッドかもしれない ADD/ADHDかもしれない
知的能力の高い仲間とかかわることで不適切な行動が減る。 知的能力の高い仲間とかかわっても,行動に改善が見られない。
その子に適した学力レベルの集団に入ることで不適切な行動が減る。 その子に適した学力レベルの集団においても行動に改善が見られない。
カリキュラムを工夫することで不適切な行動が減る。 カリキュラムを工夫しても行動に改善が見られない。
自身の不適切な行動の理由を,(子どもなりに)論理的に筋を通して説明する。 自身の不適切な行動について,その理由を説明できない。
その子が動き回っているとき,その子自身がそれを楽しんでおり,自分で自分がコントロールできないという感覚にはない。 自分で自分がコントロールできないと感じている。
適切なソーシャルスキルを学ぶことで,「衝動性」や不適切な行動が減る。 適切なソーシャルスキルを学んでも,「衝動性」や不適切な行動は減らない。
なぜ課題や活動を途中でやめてしまうのか,(子どもなりに)論理的に筋を通して説明できる。 なぜ課題や活動を途中でやめてしまうのかの理由を説明できない。
興味・関心のあるテーマや活動の際には,不適切な行動がほとんどなくなる。 その活動に興味があろうがなかろうが,その子の行動は変わらない。
テーマや活動が,その子自身にかかわるものや意味のあるもののように感じると,不適切な行動が減る。 テーマや活動が,その子自身にかかわるものや意味のあるものに感じても,不適切な行動は減らない。
話に割り込んだり余計な話をする行為は,自分が知っていることを共有したい,自分はわかっているということを伝えたい,すぐにその問題を解決したいという思いから生じる。 話に割り込んだり余計な話をする行為は,その子の学びたいとか知っていることを共有したいという思いから生じるものではない。
注意散漫に見えていても,何を指示されたか問うと答えることができる。 注意散漫に見える際に,何を指示されたか問うと答えることができない。
複数の課題を同時並行で嬉々としてこなしていく。より多くを成し遂げ,より多くを学びたがる。 特に明確な理由なく,課題から課題へとうつろう。
不適切な行動はどんなときにも見られるわけではない。状況によって見られたり見られなかったりする。 不適切な行動は,状況に関係なくほぼ常に見られる。
不適切な行動はどんなときにも見られるわけではない。教師や指導スタイルによって見られたり見られなかったりする。 不適切な行動は,教師や指導スタイルに関係なくほぼ常に見られる。
教師の注意を引こうとして不適切に振舞う。 誰かの注意を引こうが引くまいが,不適切に振舞う。

ギフティッド-アスペルガー症候群チェックリスト

ギフティッドかもしれない アスペルガー症候群かもしれない
記憶と注意
ずば抜けた記憶力があり,様々なトピックスに関する事実や情報を記憶している。 ずば抜けた記憶力があり,特定の関心事の特定のテーマに関する事実や非常に細かな情報を記憶している。
通常,人の名前と顔を正確に思い出す。 人の名前や顔を思い出すことが苦手。
機械的な暗記課題はできるが嫌い。  細かなことがら,事実,数字について考えたり憶えたりすることが好き。
興味のある様々なものに対して強烈な集中力を見せる。 興味のあるひとつのもの対して強烈な集中力を見せる。
自分のなかの思いや考えによって注意がそがれると,なかなかもとの課題に注意を戻せないことがある。 自分のなかの思いや考えによって注意がそがれると,なかなかもとの課題に注意を戻せないことがある。
話し方とことば
語彙が非常に豊富で年齢よりも進んでいる。 高度なことばを用いるが,用いていることばすべてを理解しているわけではない。
抽象的な考えについての見解をめぐり,人とやりとりできる。 具体的で字義通りの意味で考えたりやりとりしたりし,抽象性があまりない。
豊かで相手の興味を引くような言語表現や話し方をする。 相手が興味をもてないような言語表現や話し方をする。
人の興味を惹きつける。  話し方や内容に相互性がなく,人の興味を惹きつけられない。
難しいが考えがいのある質問をする。 質問と報告を繰り返す。
ませた表現豊かなことばを用いたり話し方をしたりする。 いわゆる学者のイメージを彷彿とさせるような,途切れることのない話し方をする。
求められようが求められまいが,詳しく念入りに伝える。 途切れなく話が進むが,念入りな感じがほとんどあるいはまったくない。
教養のある双方向のユーモア,皮肉,嫌味を理解したり言ったりする。 双方向のやりとりの伴うジョークを誤解する。
会話の因果関係やギブ・アンド・テイクの関係を理解している。 会話でのギブ・アンド・テイクの関係をなかなか理解できない。
苦痛をことばで伝える。 ことばよりはむしろ行動で苦痛を伝える。
社会性と情緒
誰が友だちかがわかり,友だちの名前をあげることができる。サークルなど集団で中心的な地位にいることが好き。 どのようにして友だちをつくり,その関係を維持していったらよいのかが理解できず,非常な困難を見せる。
社会規範を承知している。 身なりや振舞いなどの社会規範に無頓着でいる。
自分が仲間とは違っているということを鋭く感じ取る。 自分が仲間とは違っているという認識があまりない。
楽しんでいること,取り組んでいること,興味関心,やり遂げたことを積極的に人と分かち合おうとする。 楽しんでいること,取り組んでいること,興味関心,やり遂げたことを人と分かち合うことに,ほとんどあるいはまったく関心がない。
人との会話がはずむ。  人と会話を始めたり,はずんだ会話を続けたりすることに大きな困難を見せる。
他者の視点がわかり,他者の観点に立ったり,それを理解したりできる。 他者も当然自分と同じ視点をもっているものとみなす。
人とのやりとりのうえで,暗黙のルールに従う。 社会的慣習やその背後にある理由に気づいていない。
人とかかわるうえで,鋭い社会的洞察力と直観力を見せる。 社会的洞察力に欠けている。
たいていの場合,適切に感情を表す。 不適切な,あるいは幼い感情表現のしかたをしたり,起伏がなく抑えられた感情表出をしたりする。
他者の感情がわかり,他者の気持ちをすぐに汲み取る。 認識できる他者の感情が限定されている。
場の状況を読み取り,場の空気に応じられる。 場の状況を読み違え,場の空気に応じられないことがある(どのように応じたらよいのかわからないときもある。)
他者に共感を示し,困っている友だちを慰める。 多くの場合,困っている人への共感や気遣いを示さない。
行動
変化に対して抵抗するが,それは暴力や乱暴な行為を伴わない。そして,たいていはその変化に従う。  変化に対して,強力に,あるいは身体をはって抵抗し,頑なである。
ルールや体制に疑問を投じる。 ルールに厳格に忠実であり,構造化された状態を必要とする。
常同行動(例;手や指をパタパタさせる,くねくねする,複雑な身体の動き)がない。 常同行動(e.g., 手や指をパタパタさせる,くねくねする,複雑な身体の動き)がある。
問題が生じたときは,通常,本人がそのことに悩む。 問題が生じたとき,教師や親が悩む。本人は,直接個人的影響を受けない限りはその問題状況に気づかないことがある。
運動スキル
協調運動能力が十分発達している。 協調運動能力の発達が遅れている(例;極端に不器用な動き)。
チーム・スポーツが好き。 チーム・スポーツをやりたがらない。
日常生活のスキル(食事,服の着脱,トイレ,衛生)の発達が年齢相応に見られる。 日常生活スキルの発達が遅れている。

*引用:学校・家庭でのギフティッド児の誤診予防と適切な理解・支援のために : 日本語版ギフティッド-アスペルガー症候群,ギフティッド-ADD/ADHDチェックリストhttps://cir.nii.ac.jp/crid/1520290885126978944

ゲーム感覚で楽しく学べる

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ギフテッドの特徴を理解してあげよう。

ギフテッドは学校生活が苦手

ギフテッドの特徴、学校生活が苦手

高い才能を持って生まれてくるなんてうらやましいばかりですが、ギフテッドとして生きることはそんなに簡単な話ではないようです。

NHKが6歳から60歳代のギフテッド122名に行ったアンケート結果があります。ギフテッドの91%が「学校生活に違和感があった」、90.2%が「生きづらさを感じたことがある」と回答しています。

*NHKクローズアップ現代:
https://www.nhk.or.jp/gendai/kiji/161/index.html
https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4320/

天賦の才を持ちながら、なぜ生きづらさを感じなければならないのでしょう?

ギフテッドにとって、義務教育の授業は知的刺激のない退屈な時間でしかありません。日本では誰もが同じペースで学習を進めることが原則となっています。強い知的好奇心を持ちながら、知っていることばかり何年間も聞かされることは苦痛でしかないのでしょう。

また、ギフテッドは非同期発達という、成熟度の凸凹の激しさを示す場合があります。ギフテッドは知能の発達が高いのに対して、判断力の発達が年齢相応か遅れていることがあります。

学校の授業中に平気でおもしろくないと言ったり、見知らぬ太った人に体重を聞くような非常識な言動を行うことがあります。知的で大人びた話し方をする子どものこのような言動に周囲は困惑してしまいます。

さらに、科目ごとの知能の発達がアンバランスな場合もあり、自分の興味のある勉強しかしないわがままな子どもと判断されることもあります。

関連ページ学校が楽しくなる方法。小学生が読書をする効果を研究した結果。

ギフテッドの才能を開花させるには?

ギフテッドになる方法

また、上越教育大学・角谷詩織准教授はギフテッドの子供に対する誤診の多さを指摘しています。

ギフテッドは過興奮性を持っていることがあり、知的欲求が高いあまりに授業中に思わず誤りを指摘したり、反対に授業が退屈で空想の世界に没頭することがあり、注意欠如・多動症(ADHD)と誤解されることがあります。

そして、一つの対象を深く追求していく姿勢がこだわりの強さと受け止められたり、同年齢の子供と知的関心を共有できないために交友関係を築けないでいると、自閉症スペクトラム症(ASD)と誤解されてしまいます。

その結果、誤って薬物療法や有害な治療が行われた結果、うつ病など実際の精神疾患を引き起こしてしまうことがあります。

また、2Eと呼ばれるギフテッドでありながら発達障害である場合もあり、ギフテッドの判定は高度で総合的な判断が必要となります。

*「学校・家庭でのギフティッド児の誤診予防と適切な理解・支援のために」上越教育大学研究紀要 第39巻第2号(2020)

ギフテッドの子どもは知的欲求を満たすことで、情緒的な安定を得ることができると言われており、早い段階でギフテッドと判断することが大切になります。

ギフテッドの特徴に合った対応ができないと才能を開花できないだけでなく、生きづらさを抱えることとなるわけです。

関連ページ子どもの自己肯定感を伸ばすには?

ギフテッド教育はスタートしたばかり

算数が得意な小学生、天才になるには?

欧米ではギフテッドの才能を引き出すプログラムが積極的に開発されていますが、平等さや調和を重視する日本の教育制度では、ギフテッドへの対応は大きく遅れています。

国民全体の学力の向上のためには今までの教育制度が適しているかもしれませんが、飛び抜けた才能を良しとする社会の要請に合わなくなっているようです。

ビル・ゲイツ、マーク・ザッカーバーグ、イーロン・マスクなどの世界的なイノベーションを起こす人々にはギフテッドが多いと言われています。

ギフテッドだけを特別扱いすることを懸念する人もいますが、あらゆる子どもの個性を活かす教育を理想とするならば、ギフテッドのための教育も欠かせないはずです。

日本では2020年4月、東京大学大学院にギフテッド創成寄付講座が開設されました。孫正義育英財団では2016年から高い志と異能を持った若者の支援を行っています。

その中の一人、13歳の数学者、梶田光君は2歳で九九を覚え、5歳で二次方程式を理解し、小学校の入学時点では義務教育の算数、数学は学び終えていたそうです。彼の才能に気づいた両親は他の教科を勉強しなくても叱らず、自由に数学の勉強をさせました。

小学校への通学はあきらめてホームスクールで学んできましたが、孫正義育英財産の支援を受けて海外で学ぶことを決めたのだとか。梶田君をはじめ社会から支援されたギフテッドたちは、私たちの社会を前進させるギフトを生み出してくれることでしょう。

*東京大学大学院 ギフテッド創成寄付講座:https://www.c.u-tokyo.ac.jp/info/research/sponsoredprograms/gifted/index.html

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ギフテッドあるある

【参考文献】
(1)「ギフテッドの概念と日本における教育の可能性」滋賀大学教育学部紀要 第67号(2017)https://cir.nii.ac.jp/crid/1050001338441936000
(2)NHK https://www.nhk.or.jp/gendai/kiji/161/index.html、https://www.nhk.or.jp/gendai/kiji/161/index.html
(3)「学校・家庭でのギフティッド児の誤診予防と適切な理解・支援のために」上越教育大学研究紀要 第39巻第2号(2020)

この記事を書いたのは

大学の先生

30代大学教員 あっ君パパ

京都大学大学院修了 博士(工学)

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